りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

夏丸谷中慕情

11/25(月)、chi_zu2号店で行われた「夏丸谷中慕情」に行ってきた。

夏丸「江島屋怪談」
夏丸「お笑い音楽会」
~仲入り~
夏丸「甲府い」

 

夏丸師匠「江島屋怪談」
店内の照明を全部落として高座の上の照明のみで。
殊更おどろおどろしくやっているわけではないのに、季節がちょうど合致するのと一日中冷たい雨が降っているこの日の天気も相まって、ひんやりと怖い。

地主様の家にお嫁に行く一番幸せな日のはずが恥ずかしい思い出すのも嫌な日になってしまった悲しみと恨み。
髪を振り乱して着物の袖を裂いて火にくべる老婆の姿が目に浮かぶ。
こういう噺、ほんとに合ってるなぁ。ご本人は本意じゃなさそうだけど。

 

夏丸師匠「お笑い音楽会」
一席目の雰囲気を一掃するようなバカバカしさで溢れた高座。
仙台の花座へ小すみさん、伸ん乃さんと行ってきました、という話。
小すみさんはもともとはお囃子さんでしたけど、ウィーンの音楽学校へ留学してフルートやピアノなどを勉強してきた人なので、仙台の素人なんて屁でもないんですね、の言葉に笑う。
夏丸師匠の落語、小すみさんの音曲のあとは、小すみさんがピアノを弾いて夏丸さんが歌ったり、タカラジェンヌになりそびれた伸ん乃さんがオペラ風に歌ったり…。

そんな話から、オペラでは喉をたてに開いて歌う歌い方、演歌は横に開く歌い方…と言って、オペラ風の声(驚くほど大きな声!)で歌ったり、五木ひろしで歌ったり…。
まさに水を得た魚のようだった。

 

夏丸師匠「甲府い」
「私は二席目みたいのが大好きなんですけど、お客様は一席目みたいのが好きなんですよね」と夏丸師匠。
落語ファンになればなるほどああいう噺をやらせたがる、とちょっと不満げ?いやいやいや、そこは好みの問題から一概にそうとは言えないのでは。
でも普段の二席目のイメージが強い夏丸師匠が圓朝物の怪談をさらっとすると、そのギャップに「すごい!」となることは否定できないな。

そんなまくらから「甲府い」。これもふざけたりギャグを入れたりしない「甲府い」で意外に(失礼!)とてもよかった。こってりしてないところも好みだったな。