りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

講談協会定席 広小路亭講談会

8/28(水)、講談協会定席 広小路亭講談会に行ってきた。

・一記「三方ヶ原軍記」
・伊織「源平盛衰記 青葉の笛」
・凌天「村越茂助 左七文字の由来」
・梅湯「谷風の情け相撲」
・すず「仙人」
琴桜おかか衆声合わせ」
~仲入り~
・凌鶴「蒲生三勇士~村上大助誕生」
・貞花「牡丹灯籠 お札はがし」

梅湯さん「谷風の情け相撲」
やっぱり私はかたーい講談より柔らかみのある講談が好きなんだな、と感じる。
途中、行司の物まねがあったり広沢虎造が出てきたりしてとっても楽しかった。


すず先生「仙人」
公団住まいの話から芥川龍之介原作の「仙人」。
口入屋に「仙人になりたい」と言ってやってきた権助。困り果てた口入屋が医者の先生に相談に行くと、そこのおかみさんが「だったら家で引き受けましょう」と言う。
やってきた権助に「20年間、お給金なしで働きなさい。そうすれば仙人の法を教えてあげる」とおかみさん。
果たして20年目になったときに…。

こういうのも講談になるんだね。私は戦記物よりこういう方が好みだなー。面白かった。


琴桜先生「おかか衆声合わせ」
金沢で米の値段が高騰し庶民が困窮する中、どうにかして声をあげて「御救米」を出してもらおうと、おかみさんたちが奮闘する話。
元気なおかみさんたちがとても生き生き描かれていて、前のめりになって聞いた。
いつの世も割を食うのは庶民なんだな…。めでたしめでたしでは終わらない結末が苦い。


凌鶴先生「蒲生三勇士~村上大助誕生」
わーい、凌鶴先生。
凌鶴先生を定席で見るのはとても久しぶりだったんだけど、いいなぁ。爽やかな風が吹き抜ける感じ。ほっとする。
前に道楽亭で聞いた話。
松井と下男の関係がすごく好き。落語の「やかんなめ」みたい。全然松井を恐れてなくて軽口を叩いたり面白がっているところがいい。
妹がどしーんどしーん!と登場するところも落語っぽくて好き。
楽しかった~。

貞花先生「牡丹灯籠 お札はがし」
講談の怪談、前に浅草演芸ホールで松鯉先生のを見に行ったことがあるんだけど、広小路亭はあそこよりずっと狭い空間なので余計に怖かった。
この話、欲に目がくらんだおみねが亭主を説得して二人で今まで世話になっていた新三郎を裏切るところが怖いと感じることも多いんだけど、今日はひたすらにこのお露の情念が怖かった。
新三郎が心変わりをしたと責める女中と、ただただ新三郎に会いたいとだけ繰り返すお露。
どんなに言葉を尽くしても伝わらない気持ちが恐ろしい。

ほぼ暗闇の中で静かに語られるのがほんとに恐ろしくてぞくぞくした。