りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

紀伊国屋寄席

9/18(火)紀伊国屋寄席に行ってきた。


・松之丞「乳房榎」
~仲入り~
・歌助「権助芝居」&踊り
小三治ちはやふる

小三治師匠「ちはやふる
知らないのに知ったふりをする、のまくらで小学生のころ映画を見た話。
学校の校庭にシーツをつなげたようなものをスクリーンに「鞍馬天狗」を見た。
風が吹くとそのスクリーンがたわんで、鞍馬天狗が歪んで見えた。
クラスの中にはそんなんじゃなく映画館に映画を見に連れて行ってもらったという子どもも3人ほどいて、その中の一人に「お前もいったろ?」と聞かれ、思わず「あ、ああ」と答えてしまった。
「どんなだった?」と聞かれて「え?ええと…風が吹くとこうふわふわっとなって…」
知らないなら知らないと言えばよかったのになぜか言えない。そういうことはいくらもある。
そんなまくらから「ちはやふる」。

小三治師匠の「ちはやふる」は何度も見ているけど、先生と金さんの会話が絶妙。
先生が初めからだましてやれと思っているわけじゃないけど「物知りで高慢な面をしてる」とか言われ、当然知ってるだろうと「教えてくださいよ。どういうわけなんです?」と聞かれて、時間稼ぎをしながら徐々に話を作り上げていく…ただそれだけの噺だけど、なんともいえない楽しさ。
先生が興が乗ってきて「互いに見交わす顔と顔~♪ちゃちゃんちゃんちゃん!!」と浪花節をうなって三味線を鳴らすところが大好き。

「え?5年で大関に?そりゃすごいや」「え?ふられちゃった?ふられちゃったの?」と素直な反応を見せる金さんがかわいい。
なんだかんだ言ってこの二人は仲が良くて会話を楽しんでいるんだな。
小三治師匠が先生と一体化して自分で作ったデタラメな話をするのを楽しんでいて、それを聞く金さんもその話を楽しんでいて、それを見る私もそれが楽しくて楽しくて。
あーーー楽しい。なんて楽しいんだ。小三治師匠の落語は。

席が良かったので小三治師匠の表情一つ一つをじっくり見ることができて、師匠も心なしか満足げでよかった~。幸せだった~。

この日は仕事で遅くなって入ったのが途中になってしまったし、隣の男はこそこそ録音してるし、携帯の着信があちこちで鳴るし…いろいろ冴えなかったんだけど、小三治師匠の高座が素晴らしかったので満足。