りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん助ドッポ

9/17(月)、お江戸両国亭で行われた「さん助ドッポ」に行ってきた。


・さん助 ご挨拶
・さん助「女郎の強飯」
~仲入り~
・さん助「子別れ」
・さん助「子は鎹」


さん助師匠 ご挨拶
今日は「西海屋騒動」はお休みして「子別れ」を通しでやります、とさん助師匠。
ニツ目の時に「子別れ」の通しを上中下と日を分けてやったことがあったんだけど、その時はお客さんから「なんで日にちを分けるんだ」とおしかりを受けた。
今日は通しでやりますが、上と中はあんまり楽しい噺じゃないので…。
よく「子別れの”中”はなんというタイトルなんですか」と聞かれるんですが、中がいわゆる「子別れ」です。でも今はほとんどやられることはないですね。「子別れ」といえば「子は鎹」になってますね。
今日はたっぷり通しでやるので…さすがにお客様もしんどいと思うので仲入りは入れます。

さん助師匠「女郎の強飯」
くまさんが弔いで酔っ払って寝ているところを起こされるところから。
酒を飲んでたちが悪くなっているところがものすごいリアル。さん助師匠ってお酒飲めないんだよね?っていうのが信じられないような酒乱っぽさ。
機嫌よく笑ってたかと思うと、急に怒り出す。感情の振れ幅が大きくて、見ていて不安な気持ちになる。
弁松の弁当を背中に5つ、懐に3つ入れて、吉原へ。
途中で紙くず屋に会い連れ立ってご機嫌で向かうんだけど、途中で背中を押されてがんもどきの汁がこぼれたり、店の若い衆に背中から弁当を出して渡したりと、結構笑いどころもあった。


さん助師匠「子別れ」
通夜に行って3晩帰らず吉原に居続けしたくまさんが家に帰ってくるところから。
言い訳が長い!そして吉原の女のことをのろける。しかも生々しく。そして痛いところを突かれるとキレる。
おかみさんに「こっちに来いよ」と言うところが、いつもぞくぞくっとする。なんか男のずるさがにじみ出ていて、見てはいけないものを見てしまったような…。
それからおかみさんに離縁状を書いてくれと言われて激高し夫婦別れ。
隣に住んでる男が「謝っちゃえよ」と言うのも聞かず、最悪の展開。


さん助師匠「子は鎹」
吉原から連れ込んだ女が出て行ってようやく目が覚めたくまさん。
すっきりした表情で番頭さんと木場へ向かう途中でかめちゃんに会う。
かめちゃんの友だちのろくちゃんが最高。「かめちゃんかめちゃん、さっきからあそこにいるおじちゃんがかめちゃんのことじーーっと見て笑ったり泣いたりしてるよ。知ってる人?」
そう言われて「ううん、知らない人」と答えるかめちゃん。
声をかけられてろくちゃんに「先に行ってて」と言うのが少し大人びていて、ぐっとくる。
くまさんとかめちゃんの会話がいいなぁ。かめちゃんが最初は警戒して他人行儀なんだけど徐々に子供らしくなって。
「新しいおとっつぁんって?」と不思議がるかめちゃんに「それはですね。昼間は遊びに来てるんだけど夜になると…」と説明するろくちゃんが漫画っぽくておかしい~。
そして興味津々の八百屋もおかしい。
お小遣いをもらって「靴を買う」と言われたくまさんが「かかぁは靴も買ってくれないのか」と言ったときのかめちゃんの反撃も男の子らしくていいなぁ。
さん助師匠の子どもはほんとにかわいい。

家に帰ってからおかみさんとかめちゃんとの会話はおかみさんが静かで抑えた感じ。なんかさん助師匠らしからぬ…もしかするとただ風邪気味だっただけ?(←失礼)
「出てけ」と言われたかめちゃんが「出てけっていうのは言わない約束だよ」と泣くのがもう…。
再会の場面では「ここで押しの一手だよ!」とくまさんにはっぱをかけるかめちゃん。
復縁を言われたおかみさんが「虫が良すぎるんじゃないかい」と言うのもいいなぁ。そうだよ!そうそう!と思う。
「だったら、あたしの分も鰻を頼んでおくれ」と言われたくまさんが「うなぎーーーー」と大声で叫ぶのも好きだー。
そしてこのくまさん、またお酒飲んだらまた同じことをしそうだな、という危うさを感じさせるところも好き。
ちょっともっさりしたところもあったけど、やっぱりさん助師匠の「子別れ」が好きなぁ。解釈というか表現したいと思っていること、そこが好きなんだなということを確認したなー。