りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場7月中席昼の部

7/16(月)、鈴本演芸場7月中席昼の部に行ってきた。

・駒六「子ほめ」
・歌扇「桃太郎」
仙三郎社中 太神楽
・馬石「狸札」
・はん治「ぼやき酒屋」
・ホームラン 漫才
・小八「やかんなめ」
・菊丸「看板の一」
・のだゆき 音楽
・菊太楼「祇園祭
~仲入り~
・ダーク広和 マジック
・玉の輔「宗論」
・小里ん「長短」
ホンキートンク 漫才
・南喬「天狗裁き


馬石師匠「狸札」
狸がいろいろこまごまとしたことをやりたがるのが、馬石師匠独自でかわいい。
朝もおまんまを食べてほしいのに、札を作ってくれと言われてあからさまにがっかりするのもおかしい。
寄席の浅めの出番の馬石師匠って、なんかトリの時とはまた違ってわちゃわちゃしていてちょっと挙動不審な落語で面白い~。


菊太楼師匠「祇園祭
とってもよかった。江戸っ子が気が良くてからっとしていて、京の人も嫌味だけど嫌味すぎず妙な笑い声もあまりにばかばかしいので笑ってしまう。
祭りの模写も、京の気取った感じと江戸の威勢だけはいい感じがよく出ていて、楽しい!
うわーー、菊太楼師匠、かっこいい~。
仲入りでトイレに行ったとき、楽屋から出てきた師匠とばったり。「すっごく面白かったです」と声をかけたら「ありがとうございました!」と笑顔。わーい。


玉の輔師匠「宗論」
最近、宗旨が浄土真宗じゃなくて真言宗にしてやられていて、なんでだっけ?と思ったらそれがサゲにつながってるのだった。
十字架にはりつけにされたイエスがミカエルに話しかけるところがめちゃくちゃばかばしくて大爆笑。
この噺は玉の輔師匠が一番好きかも。
他の師匠だとなんかひやひやしちゃうんだけど、ここまでばかばかしいと怒りだす人はいない気がして安心して見られる(笑)。


南喬師匠「天狗裁き
この噺はもともと南喬師匠が上方から持ってきたとどなたかのまくらで聞いたことがあるんだけど、たしかに他に類を見ないほどべらぼうに面白い「天狗裁き」。
この噺ってこんなに面白かったっけ?と驚くほど最初から最後までめちゃくちゃ面白かった。

八五郎がけろっとしていて全くなんの含みもない感じなので、あーこのひとは本当に夢を見てない、あるいは覚えていないんだろうな、というのが伝わってくる。
それだけに次々みんなが夢の話を聞きたがるのを真に困ってるんだろうなというのがひしひしと伝わる。
おかみさんが八五郎の顔を覗き込んで「男の寝顔っていうのはかわいいって聞くけど、この人のはどこからどこまで間抜けだね…」とちょっとがっかりしながら言うおかしさ。
仲裁に入ったくまがいかにもからっとしていて男っぽいのに、「男同士だからいいよな」と聞きたがり、だめとなると急に恩着せがましくなるおかしさ。
「くまに話さなくてえれぇぞ」と褒めたその口で「で、どんな夢?」と聞きたがる大家。「話さねぇっていうのか。…じゃ、棚開けろ」とほぼ間をあけずに言うのがめちゃくちゃおかしい。

奉行もお裁きにとても威厳があってお裁き自体もとても簡潔なのに、そのあとにけろっと夢の話を聞きたがり、またすぐに拷問を申しつける…このスピードがたまらなくおかしい。
天狗のところは、なんかほんとにぴゅーっと風が吹いて山に連れていかれた感じがしてドキドキした。
南喬師匠ってしぐさが大きいからダイナミックなのだ、印象が。

あーなんでこんなに楽しかったんだろうー。
びっくりするほど楽しい「天狗裁き」だった。