りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん若挑む!(第14回)

6/12(月)、無何有で行われた「さん若挑む!(第14回)」に行ってきた。
寄席やさん喬一門会で見て、好きだなと思っていたさん若さん。近くでこんな会をされていたとは。

柳家さん若「締め込み」
・鈴々舎八ゑ馬「胴乱の幸助」
~仲入り~
・ 鈴々舎八ゑ馬「青菜」
柳家さん若「小言幸兵衛」

 

さん若さん「締め込み」

昨日まで地方の「子ども寄席」に行って来たというさん若さん。
「子ども寄席」だから「初天神」でもやろうかなと思って出かけて行ったら、楽屋に主催者からの注意書き?が置いてあり、「もう今まで何度もやられているので『初天神」』はやめてください」と。
 
な、なんだって?と思って今までのネタ帳を見てみると、たしかにこの「子ども寄席」、毎回場所はいろいろ変わっているんだけど、毎回「初天神がきっちりやられている。
…それも全部うちの師匠!
そうなんです、うちの師匠、学校寄席や子ども寄席っていうと必ず初天神」って決めてるみたいなんです。
 
…わはははは。最高だ。
そんなまくらから「締め込み」。
テンポもいいし、身のこなしがいいので、見ていて気持ちいい。
間とか表情もおかしいんだよなぁ。好きだな、さん若さんの落語。明るくて軽くて爽やかで。
泥棒が出てきてからの「…そこです」の言い方も絶妙で笑った笑った。
 
八ゑ馬さん「動乱の幸助」
八ゑ馬さんも地方に行ったときの話。
高座の他に落語教室で「先生」もやってくれと頼まれたのだが、そこは毎回落語をやりに来た落語家が「先生」を務めるということで、結構長く通っている人もいる。
で、ある男性が「初天神」をやったんだけど、すごく丁寧にしぐさをやっていて、子どもともずーっと手をつなぐしぐさをしていたので「ずっとしぐさをやってると疲れるでしょう。だからちょっとやったらしぐさを続けなくても大丈夫ですよ。」「それにこの噺はもともと上方では父親が天神様に行くと言ってほんとは女遊びに行こうとしていて、それをおかみさんが気が付いて、だからわざと子供を連れて行ってくれ、っていうところから始まっていて。そんな父親だからそんなにずーーっと子どもの手を引かなくてもいいんですよ」と教えた。
「で、ちなみに今のしぐさはどなたに?」と聞くと、なんとさん喬師匠!
慌てて「そ、そのまま、丁寧なしぐさ、続けてください」と頭を下げた。
 
…ぶわははは。ここにもさん喬師匠が!
すごいな、いろいろと。
 
そんなまくらから「動乱の幸助」。
初めて聞いた噺だったんだけど、めちゃくちゃ面白かった。
私もともと上方落語大好きなのですごいツボで笑い通し。八ゑ馬さん、いいな!
 
八ゑ馬さん「青菜」
おお、これは上方版の「青菜」。前にも誰かで見たことがあって、その時は正直違和感を感じたのだった。
というのは私にとって青菜といえば小三治師匠の青菜なので、お屋敷の旦那のなんともいえず上品な感じとか、それに植木屋さんが少年のように憧れるところとか、それを自分の家でやってみて全然さまにならないところとか、そこがすごく好きなので、上方版の「青菜」の旦那もなんかがちゃがちゃしていて、植木屋さんもべらべらしゃべりすぎて…っていうのがちょっと「ちがう」と思てしまったのだった。
ももう二回目だったので、「これは上方でやるとこうなる」っていう感じに納得して見られたので、これはこれでおもしろかった。
青菜を確かめに押し入れにもう一度入るのがたまらなくおかしかった。
 
さん若さん「小言幸兵衛」
話し始めてすぐに「お、小言幸兵衛」と気が付いた。これはもしかすると三三師匠から教わった?違うかな。
なんかこの出続ける小言がね…ちょっと疲れちゃうんだよね…この噺自体があんまりおもしろいと思えないの。
 
でも最近芝居のところまでやって「ばかばかしいお噺で」とサゲる人が多いのに、最後までやってくれたのはうれしかったな。私はこっちの方が好きだな。