りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

池袋演芸場9月上席昼の部

9/10(土)、池袋演芸場9月上席昼の部(~夜の部最初の方)に行ってきた。


池袋演芸場9月上席昼の部
・伸力「寿限無
・くま八「大安売り」
・章司 江戸売り声
・愛橋「?」(ショーンKにインタビューするという新作)
・米多福「蝦蟇の油」
コントD51 コント
・南なん「蜘蛛駕籠
・鶴光「鼓ヶ滝」
~仲入り~
・ひでや・やすこ 漫才
・夢丸「殿様団子
・寿輔 漫談
東京ボーイズ 歌謡漫談
・金太郎「小間物屋政談」

池袋演芸場9月上席夜の部
・べん橋「たらちね」
・遊里「出来心」
・コント青年団 コント
・可風「ぜんざい公社」
・鯉橋「粗忽の釘


愛橋師匠「?」(ショーンKにインタビューするという新作)
前に上野広小路で一度見たことがある師匠。あの時は相当なもんだったけど違う噺だったらそうじゃないかもという期待を見事に裏切られ同じ噺、そして同じような空気。
う、うーん…。
謝りながら帰るくらいなら違うふうにしてほしいと思ってしまうんだけど、それも芸のうちということなんだろうか…。


米多福師匠「蝦蟇の油」
まくらで芸協まつりの話をしながら「蝦蟇の油」につなげていくとはすばらしい。そして冷え切った空気をあたためてくれたのには感謝…。
酔っぱらってからの口上が楽しかった。


コントD51 コント
いつものおれおれ詐欺でなく大衆演芸好きの大家さんのコントだった。好きなんだよなぁこの人たち。何回見ても同じなんだけどいつも笑ってしまう。


南なん師匠「蜘蛛駕籠
旅に行って温泉卵を出してもらったときの話。美味しかったので「おいしいですね」と言ったら「そうですか?もっと召し上がりますか」と言って、バケツいっぱい持ってきてもらっちゃった。
いくらおいしくたって卵なんてものは2,3個も食べれば十分。バケツいっぱいはつらい。いくつかはカバンの中に隠しちゃった。
それから山寺に修業に行った時の話。朝食にしいたけが出たので「うまいですね」と軽い気持ちで褒めたらこれがいけなかった。次の日から毎日しいたけ三昧。焼いたり天ぷらにしたり味噌汁に入ってたり。むやみに褒めちゃいけません。
またそこの寺の住職が無精らしくあまり掃除をしてない。自分は師匠の家をよく掃除させられていたから掃除は得意。庭を掃いていたらうまいっていうのがバレて、今度はあっちをやれ、こっちをやれ、って…。一応「客」だったのに。

そんなまくらから「蜘蛛駕籠」。
駕籠屋の二人。兄貴分は江戸っ子で威勢がよくて、弟分の方はいかにも間が抜けていてかわいらしい。
一人になった弟分が茶店の主人を駕籠に乗せちゃったり、兄貴分が侍に声をかけられてその気になってると実はただの尋ね人だったり…。
酔っぱらいのぐるぐる回る話も、酔っぱらいがほんとにご機嫌で楽しそうで、だけどたちが悪くて大笑い。
そのあと踊りを踊って調子のいい人が来るも駕籠を勧めると、♪乗りたい~けれど金がない。
最後は二人連れが乗ってカゴの中で相撲をとって底が抜ける。その様子を見て驚いて目を白黒させる子どもがおかしい。

南なん師匠は表情が豊かだからこういういろんな人が次々出てくる噺が楽しいなぁ。


鶴光師匠「鼓ヶ滝」
鶴光師匠の「鼓ヶ滝」は前にも聞いたことがあるんだけど楽しい!地噺ってあんまり好きじゃないんだけど、この師匠は「地」の部分のほどがいいところが好きだな。


夢丸師匠「殿様団子」
出てくるだけで嬉しいのにそのたびにいろんな噺、珍しい噺を聴かせてくれるからほんとに素敵。
今日はこの前に末廣亭に行ってそこから地下鉄でやってきたという夢丸師匠。着物で生活しているので着物姿で電車に乗るんだけど、女性が着物を着てると「あら素敵ね」という目で見られるけど男だとそうはいかない。「なにあのひと、きもちわるい」という目で見られる。
今日も女子高生が二人こちらを指さして話してる。
「なに、あれ?」
「え?どこ?」
「ほら、着物着てる。あのひと。なんだろ?なに、あれ?」
「え?…武士じぇねぇ?」

ほんとに武士だったらお前ら一思いに成敗してやるわーーー!!と思った、というのがおかしくてしょうがない。

そんなまくらから「殿様団子」。
いやあこれがまた面白かった。大政奉還で「殿様」でいられなくなった元殿様が何か商売をしなくちゃいけないということで団子屋を始める。
そこに何も知らない男が二人が団子でも食おうと出かけていくのだが、出てきたのが三太夫でえらいえばっている。客なのになんでこんなに威圧的な扱いを受けなきゃいけないんだと思っていると現れたのが殿様。「おい、あれはおれらの殿様じゃないか!」
思わず「へへーーー」と平身低頭。
町人と話していると殿様が泣きだすのだが涙や鼻水を手で拭いながら「それじゃ団子を作ってくるのでな」。

えええ?その手で作るのーー?せめて洗ってーとも言えずにいると、出てきたのはやはり酷い代物。
とにかくバカバカしくて明るくて楽しかったー。

寿輔師匠 漫談
もしかするとタイトルが付いていたのかもしれないんだけどちょっとわからなかった。
基本的に客いじりは好きじゃないんだけどこの師匠は好きなんだよなぁ。なんでだろ。言葉はきついけど優しい感じがするからかなぁ。

小噺の連続技みたいな話だったけど面白かった~。この師匠のトリも見てみたいな。


金太郎師匠「小間物屋政談」
初めて聴く噺。
いやぁ酷い話や…。でも結果的にはめでたしめでたしなのか。
ほんとにもう落語の世界ったら…!
人間の気持ちもこんなに単純だったらいいのにねぇ。


可風師匠「ぜんざい公社」
ほんとは昼の部で出るつもりだったんだけど、真打お披露目で見て「いいな」と思っていた可風師匠が出ていたのでちょっとだけ残ることに。
いやぁ好きだなぁ、この師匠。やわらかくてあたたかい。「ぜんざい公社」そんなに好きな噺じゃないけどのんびりしていて楽しかった。


鯉橋師匠「粗忽の釘
この師匠も大好き。控えめだけどなんかおっちょこちょいな感じが漂っていて楽しい。
ノロケを言ったりしないごくあっさりした「粗忽の釘」だったけど楽しかった!