りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ミニチュア作家

ミニチュア作家

ミニチュア作家

★★★★★

1686年秋、アムステルダム。18歳のネラは、裕福な商人ヨハンネス・ブラントの妻としてこの繁栄する都市へやってきた。新生活への期待に胸をふくらませつつも、待っていたのは、婚家の富に戸惑い、辛辣な年上の義妹マーリンに反発し、不在がちの夫に落胆する日々だった。しかし、夫からの結婚祝いである豪奢なドールハウスがそんな生活を変えた。なぜか新しい家族に生き写しの人形たちに導かれるようにして、屋敷が抱く秘密を知ったネラは、行く手にひそむ危険に気づくが…。黄金時代のオランダの光と影を描き上げ、刊行前から世界の出版界の話題を独占した驚異のデビュー作。全英図書賞受賞作。

メロドラマ的な展開ではあるけれど、未来を予告するミニチュアのドールハウスというのが物語好きにはたまらない。
久しぶりに、この先どうなるんだろう?!とページをめくる手を止められないワクワク感を味わった。

無力だった主人公のネルがどんどんたくましくしたたかに成長していくのも良くて、冷静に考えるとかなり酷い話なんだけど、読後感は意外に清々しい。
深みには欠けるけど(おいおい!)楽しく読める小説だ。