りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第一回 双朝々 一朝・柳朝師弟会

7/17(金)、第一回 双朝々 一朝・柳朝師弟会で行われた「第一回 双朝々 一朝・柳朝師弟会」に行ってきた。
一朝師匠は大好きなんだけどなかなか独演会をやられないし見る機会が少ない。総領弟子の柳朝師匠との二人会が始まるということでこれは行かねば!といさんで湯島へ。
18時開場で18時15分ぐらいに到着したんだけど会場はかなり埋まっていて、一朝師匠の落語をたっぷり聞きたい!と思ってる人がこんなに大勢いるんだ!と嬉しくなった。

・朝太郎「たらちめ」
・一朝「やかん泥」
柳朝「佃祭」
〜仲入り〜
・一朝「唐茄子屋政談」

朝太郎さん「たらちめ」
おお、これが朝太郎さんか。
なんかまだ危なっかしいところもあるんだけど、口調が江戸っ子らしく威勢が良くてフラがあって楽しい。楽しみな前座さん。

一朝師匠「やかん泥」
会場いっぱいのお客さんから大きな拍手に迎えられた一朝師匠。
「こういうことになりまして…。やらないのか、いつやるんだと言われ続けてようやく、なんですが。こうして大勢来てくださって本当に感謝してます。噺家は必ずこういうことを言いますけど本当にそう思ってるわけじゃないんですけど、私は本当です。みなさん一人一人と握手したいくらい。」と一朝師匠。
「今回、柳朝一朝…じゃないや、どうしても柳朝っていうと先に言っちゃうんですね。」

自分は師匠との親子会ってやったことがない。というのは真打になる少し前に師匠が倒れて披露興行の口上にも並ぶことができなかった。師匠はそれをいたく申し訳ながって病院に見舞いに行くとよく謝られました。
そんな話から、先代柳朝師匠の思い出話。

師匠の落語会で地方に行って露天風呂に入っていたら隣が女湯で師匠がもぐってのぞきにいった話とか、エッチなマッサージを呼ぶからお前はちょっと飲みに行ってこいと言われ仕方なく宿を出ようとしたところに志ん朝師匠とばったり会って「お前どこに行くんだ?」なんて話をしていたらそこに白衣を着た筋骨隆々としたおばさんが通って行った。「あ、あれはもしや?」「え?あれはどう見ても本職(エッチじゃない方のマッサージ)?」。
どういうことになるのか見て来ようと二人で覗いてみると、おばさんの「何をするんですか!」という怒声と「ぎゃーーー」という師匠の悲鳴…。
いやもうなんて楽しいの…!

そんなまくらから「やかん泥」。
ダメな子分がやたらと陽気で軽くて楽しい。
お前に仕事を教えてやると親分が子分を連れて出かけるんだけど、子分がやたらとパーパー大声でお喋り。この陽気さと軽さがもう楽しくて楽しくて。
「おめえ静かにしろ」と言われて「ええ?さみしいからおしゃべりしながら行きましょうよ」という子分が楽しい。
いやぁこれはほんとに楽しかった。一朝師匠の「やかん泥」最高。また見たい。

柳朝師匠「佃祭」
初めて見る柳朝師匠。
細身でいかにも若旦那っぽい風情だけど、落語の方は結構爆笑系?
端正なところと、やりすぎなくらい壊れるところの対比が面白い。

一朝「唐茄子屋政談」
おじさんがいかにも江戸っ子らしくからっと明るい。
手伝ってくれる江戸っ子の気持ちの良さがすごく楽しい。
吉原田んぼを歩きながらの妄想も調子が良くてひたすら楽しい。歌も素晴らしくて思わず拍手。
子どもに弁当をあげたり売り上げを全ておかみさんにあげてしまう若旦那が、情にほだされたというよりは苦労知らずの若旦那だからこそ、という軽さがあって、ああなるほどな、と。
爽やかで気持ちのいい「唐茄子屋政談」だった。