りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

秘密

秘密 上

秘密 上

秘密 下

秘密 下

★★★★★

『忘れられた花園』のモートンが再び読者を誘う物語の迷宮。オーストラリアABIA年間最優秀小説賞受賞。母は、なぜあの見知らぬ男を殺したのか?少女だったローレルは確かに聞いた―「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と彼が言ったのを。

面白かった!前作「忘れられた花園」よりも好みだった。
現在と過去を行き来しながら徐々に明らかになる母の秘密。
ストーリーの進め方が見事なのでぐいっと引き込まれて一気読み。時を忘れて読む楽しさを存分に楽しめる。

しかしこの作者が凄いのは展開していくストーリーの中に、忘れられないシーンやその人のコアな部分を描き出すエピソードを散りばめているところだと思う。
それが読み終わったとき余韻となって残り、いい物語を読めたなぁという満足感を生み出すのだ。
素晴らしかった。