烏に単は似合わない
- 作者: 阿部智里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/06
- メディア: 単行本
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八咫烏が支配する世界で始まった、世継ぎの若宮の后選び。宮廷に集められた四人の姫それぞれの陰謀や恋心が火花を散らす。だが肝心の若宮が一向に現れないままに次々と事件が!失踪する侍女、後宮への侵入者、謎の手紙…。后選びの妨害者は誰なのか?そして若宮に選ばれるのは誰なのか?第19回松本清張賞最年少受賞。
「松本清張賞最年少受賞」作者はなんと1991年生まれですて!うひょ〜。
「八咫烏」の一族が支配する世界で、世継ぎである若宮の后選びが始まる。
宮廷に集められた四人の姫。春殿のあせび、夏殿の浜木綿、秋殿の真赭の薄、冬殿の白珠。それぞれ陰謀や恋心を胸に若宮の后の座を賭けて美貌と才気を競う。
宮廷で若宮が現れるのを待ちながら姫君たちが火花を散らすところは、源氏物語のようで非常に面白い。
これだけの世界観を作り上げるのは凄いと思う。
前半は春殿あせびの視点から、宮廷の様子や他の姫君たちのキャラクターが丁寧に描かれていて、とても面白かった。
しかし宮廷内で事件が起こったあとの謎解きの部分が乱暴過ぎるような…。
視点が変わってスピードアップするのは悪くないけど、ちょっと雑に思えた。
ええ?な、なんと!!という驚きはあったけど、ちょっといきなり人格変わりすぎっていう印象。
でも面白かった。設定は平安時代っぽいけど、女の子たちが元気で臆せず主張するのがとても気持ちいい。
表紙がラノベっぽいけど案外骨太。ラノベでシリーズ化されたら多分読まないだろうけど(笑)。