りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

キッドのもと

キッドのもと

キッドのもと

★★★★★

数々のヒット本を世に送り出してきた浅草キッドのふたりが満を持して出版する、初のエッセイ集。自らの生い立ち、浅草フランス座での修行時代、たけし軍団での活躍、笑い道、子を持つ親としての子育て論を、自らの筆で熱く語る。

実は浅草キッドが大好きだ。
昔、旦那と2人でお昼のお笑い番組を見ていたら、漫才勝ち抜き戦みたいなやつで浅草キッドが出てきた。
そのときの漫才がすごく面白くて、旦那と2人「いい!この人たち面白い!いい!」とやたら興奮した。
たけし軍団と聞いて、「ってことは熱湯風呂入ったり、雪の中を裸でダイブしたりするのか」と思い、「勿体無いなぁ」「もっと漫才やってほしいなぁ」と思った。

私たちの心配どおり?彼らは「たけし軍団」として裸で走ったりと、キワモノっぽい活動をしていたけれど、その後サブカル的な分野でも活躍し始めて、この人たちには何かがあると思ったけれどやはり何かを持っている人たちだったんだな、と思った。

でも私たちは彼らの漫才が見たかった。
でもそれを見る機会はなかなかなかった。
一度だけ、演芸場に彼らの漫才を見に行ったことがあった。お笑い下克上とか言って、今みたいに売れる前の雨上がり決死隊浅草キッドへの下克上と称して漫才をやっていた。
あのときの雨上がり決死隊はつまらなかったな〜。お笑いを見に行った時って、そもそも笑いに行ってるから、多少のことでも結構笑っちゃうんだけど、それでも笑えなかった。
こいつらほんとにつまんない!って思ったけど、いまや売れっ子だもんねぇ…。 ま、アメトークとか見ていても、別に彼らが面白いわけでは全然なくて、でも話を引き出したり面白いところを拾うのがうまいんだよね。

って全然本の感想になってないな。

浅草キッドが好きと言っても、私は彼らの本を読んだりはしていなかったんだけど、こちらのブログで見て、これは読まなきゃ!と思って、読んだのだ。

げらげら笑えるんだろうなと思って読み始めたのだが、これが意外にも、笑うよりは泣けるエッセイだった。
彼らが語る「殿」たけしとのエピソードや家族の話にはもう涙涙。

「青春をこじらせる」「心の防弾チョッキがない」「小さい器」
水道橋博士の選ぶ言葉は自分にも当てはまるところが多くて、ドキっとする。
かたや、玉ちゃんの方は、自由でオープンで温かくて、じーんとする。
この2人ってすごくいいコンビだったんだなぁ…。

私って、自分の好きな人を見極める能力だけはあるんだなぁ…。
他のことは何一つ満足にできないけど、漫才を見ただけで「なんかいい」「なんか好き」って思った自分の嗅覚が間違ってなかったことをこの本を読んで確認できてよかった。
この本読んで良かった。