らくごカフェに火曜会 こみち&小辰
9/12(火)、「らくごカフェに火曜会 こみち&小辰」に行ってきた。
実は披露目のチケットをご本人から買いたいなと思って伺ったので鈴本のチケットを無事に買うことができて満足~。
「渋谷らくご」立川左談次五十周年④ ~やなぎや?の会~
7/11(月)、ユーロスペースで行われた「渋谷らくご」立川左談次五十周年④ ~やなぎや?の会~に行ってきた。
・わさび「ちりとてちん」
・遊雀「四段目」
・左談次「妾馬」
・小八「らくだ」
わさびさん「ちりとてちん」
それに対して隠居が「ああ。(仕込み忘れると)食べる時に自分で入れることにな
いやぁ、これが、すごくよかったなぁ。
もうヘタレなろべえさんじゃないんだね、と思うとちょっとさみしくなるけど。
アートタワー寄席
9/9(土)、水戸芸術館で行われた「アートタワー寄席」に行ってきた。
・寿伴「子ほめ」
・ぴっかり☆「動物園」
・宮治「七段目」
~仲入り~
・真紅「桂昌院」
・小雪 大神楽
・さん助「景清」
寿伴さん「子ほめ」
大きめな会場で私は二階席だったんだけど声も響くし堂々としていてびっくり。
この間寄席で見たときはイマイチと思ったんだけど…わからないもんだなー。
特別ギャグを入れたりしてないのに、ちゃんと面白い。
しっかり客席を温めていた。
ぴっかり☆さん「動物園」
かわいいし華があるからいいよね。
テッパンのまくらにテッパンのネタ。
宮治さん「七段目」
宮治さんは苦手なんだけど二階席だからちょっと薄まってよかった。ってひどい感想だな、おい。
芝居がかりのところはこれ以上ないくらいクサくやって弾けまくって分かりやすくうけていた。
真紅さん「桂昌院」
水戸出身の講談師は一人だけ。過去にはいなかったのかと調べたらなんと幕末に一人。
自分はそれだけ稀有な存在なのだが、これがなかなかきびしい状況、と真紅さん。
女流講談師、昔は元女優が多かったことから、美人でなければいけない、とされている。
しかしこの水戸は日本三大ブスの産地。なぜそんなことを言われるようになったかというとこれも講談に残っている。
関ヶ原の合戦で西軍側についた水戸城主の佐竹義宣。負けてしまったため、国替えとなり秋田に飛ばされることに。それがよっぽど悔しかったらしく、佐竹は水戸にいた美人を全部連れて秋田へ行った。だから残ったのはブスばかり。
…ぶわははは。ほんとかなー。
そんなまくらから「桂昌院」。この話は前に一度聞いたことがあってすごく好きな話。
真紅さんは以前一度だけ見たことがあってその時はあんまり…と思っていたんだけど、面白かった!すごくうまくなってる。
さん助師匠「景清」
地元の会ということで、仲入りの時に中学校の時の同級生が楽屋を訪ねて来てくれました。
本当に何十年ぶり、ですよ。
彼が私を前にして最初に言ったのが「ああ、益子…あ、わたし本名は益子っていうんです。益子…お前中学の時から全然変わってないな」
…いや!劇的に変わってるから!
そして今日はこの大きな会場に満員のお客様。これもひとえにこちらの水戸芸術館のスタッフの方々の営業努力のおかげです。
1ヵ月ほど前に日立のほうでお仕事があったとき、そこの会場にもこのアートタワー寄席のチラシが置いてあってこんな所にまでチラシを置きに来てくださったのか、と感動。
だけどそのチラシ、某師匠の落語会のチラシの後ろに置かれていて、ちょっと隠れてしまっている。これじゃあかん!と思ってまわりを気にしながらこっそりアートタワー寄席のチラシを前に置いてから気が付いた。斜め上にカメラがあってしっかりうつってた!
あと前半から今まで…ずっとちゃんと聞いていたわけじゃないですけど…みなさんほんとによく口が回るというか達者ですね。
話のプロだから当たり前と思うかもしれませんけど決してそういうことはありませんから。私なんかどちらかというと口下手で…特に人前で喋るのは苦手で。
この間こちらで宣伝用の動画を撮った時にも真紅さんは10秒の中で上手にまとめて宣伝して、ここの会のスタッフから「さすがプロ!」と一発OKでしたけど、私なんか何度もやり直しになって…しかも噛み方が笑えるようなレベルじゃなくて…最終的に「まあいいでしょう」と言われて。お前ほんとにプロなのかよ!っていう…。
…ぶわはははは。おかしい~。
茨城の素朴で素直なお客さま方がさん助師匠が「人前で喋るのが苦手」と言った時に、ざわざわっとしたのがおかしかった~。
生まれつき目の悪い人と後から目が悪くなった人の杖の持ち方のまくらに入ったので、おお?もしや…?と思ったら、この間のドッポで聞いたばかりの「景清」だった。
これがこの間聞いた時よりぐっと進化していてもうびっくり。
あの時はちょっとわちゃわちゃした感じもあって、このブログにも「定次郎のキャラクターがもう少し魅力的になれば」というようなことを書いていたんだけど、これがものすごく魅力的になっていて、この2週間弱の間にこんなに変わるのか!とびっくりした。
噺の方も結構変えてあって。
定次郎が目が見えなくなったいきさつをあの時は地で語っていたけど、今回はそれはなし。
旦那と話をしている時に定次郎が自分で「あっしは遊びが過ぎて目が見えなくなりました」。
旦那の家に上がる前の犬のところから定次郎が意固地な男であることは伝わってくるんだけど、旦那と話をしているうちに彫り物の仕事をやりたいと語るところでは、ダメなやつだけど憎めないキャラクターがじんわりとにじみでていて、だからこそ満願の日に観音様のところに来た時の期待と失望にぐっとくる。
そうそう。満願の日に観音様に向かう定次郎が階段を上がりながら歌を歌うんだけど、これもドッポの時にはなかったよな。宗教的な感じのする歌でそれが大きなホールに響いて素敵だった。
あとこの日は鳴り物入りだったのだ。これもまたとても素敵だった。定次郎が「今日は鳴り物入りっすか」というのもおかしかった!
毒づく定次郎を旦那がようやくなだめて二人で帰っていると雷が落ちて定次郎を直撃。「ああ、これも(定次郎の)悪行のせいだ」と旦那は一人で逃げてしまい、目覚めた定次郎。「あーあ、目も開かないし、雷には打たれるし、旦那は逃げちゃうし」というのもこの間はなかった台詞。
もう生きててもしょうがない、それにしても憎いのは観音のやろう…と愚痴を言ってると、ぎぃーーっと観音堂の扉が開いて…と言ったあとで、さん助師匠「御開帳です。みなさん、普段は見られない観音様を見られるのはこの落語の中だけですから。この場を借りて拝んでおいてください」。これもこの間はなかった台詞。
この観音様がすごく漫画っぽくておかしい。
「え?だれ?旦那?違うの?じゃ誰?」と定次郎が聞くと「我は観音菩薩なり~」。
それを聞いて「え?観音?…ありがてぇ!直談判直談判!」そう言って「観音様よー俺の目は治るのかい?治らないのかい?」と聞くと「悪行が過ぎるのでそなたの目は治らん!」。
「あーーー治らないってお墨付きもらっちゃったよ」
「ではあるのだが…」
なんて落語っぽい展開なんだろう。
しかも言いたいことだけ言って観音様が扉をしめて去っていくと「え?今観音様、自分で扉締めていかなかった?」。
「あーびっくりした」と定次郎が空を見上げて「きれいな月だなぁ」とつぶやくと、客席からほっとしたようなため息が聞こえてきてうれしくなる。なんていいお客さんなんだ!
そしてこのサゲ。すごくばかばかしくて落語っぽくて好きだなぁ。
この大きなホールのトリでこの噺というのが…さん助師匠らしいというかひねくれてるというか。
もしかすると「これが落語?」と驚く人やちょっと不謹慎に感じた人もいたかもしれないけど、さん助師匠がとても楽しそうに伸び伸びやっていたのが印象的だった。
すごくよかった~。
帰りのバスで飲んだビールのうまいこと(笑)。
神秘大通り
★★★★★
本人が思っているよりは有名な作家フワン・ディエゴは、死んだ友人との古い約束を果たすため、ニューヨークからフィリピンへの旅に出る。独身作家のこの感傷旅行は、いつしか道連れとなった怪しい美人母娘との性的関係を深めつつ(ただしバイアグラ頼み)、夢となって現われる少年時代の記憶に彩られてゆく。メキシコで生まれ育ったフワン・ディエゴは14歳。人の心が読め、ちょっとした予知能力を持つ13歳の妹ルペといつもいっしょだ。娼婦で教会付きの掃除婦でもある母は育児放棄同然。ゴミ捨て場のボスが兄妹を庇護していた。燃えさかるゴミの山から本を拾いだしては独学で学ぶフワン・ディエゴに、心優しい修道士が目をかける。ある日、不慮の事故で足に障碍を負った少年は、妹とともに教会の孤児院に引き取られ、やがて“驚異のサーカス”へ。悲喜劇の巨匠による、待望の最新長篇!
メキシコのごみ捨て場で育った少年 フワン・ディエゴ。
娼婦の母親は育児放棄同然の状態で、フワン・ディエゴと妹のルペはゴミの山の主(ダンプ・ボス)の保護を受けている。ダンプ・ボスが父親なのかと思えば「多分そうじゃない」。しかしダンプ・ボスのおかげで彼ら二人はこのゴミ山の中で貧しいながらもそれなりに幸せに暮らしている。
フワン・ディエゴはゴミの山から本を拾い出しては読んでおり独学で英語も理解できるようになっていて、ダンプ・リーダーともよばれている。
そんな彼らのもとへイエズス会の心優しいペペ修道士が訪ねたことから、この二人の運命が動き出す。
アメリカに渡り作家になって成功をおさめたフワン・ディエゴの現在と、メキシコでの子供時代が交互に語られていく…。
アーヴィングの小説はいつも、大切な誰かを失うことは生きているなかで一番辛いことだけど人間はそのことをも乗り越えていける、そしていつか自分もそうやって死んでいくということを教えてくれる。
この小説は宗教をテーマにしているので前半はとても読みにくく、なかなかページが進まなかった。
私にちゃんと理解できるだろうかという不安を持ちながら読んでいたのだが、読み進めるうちにそんなことは問題ではないと気付き、そこからは物語にひたることができた。
なぜならここに描かれるのは私と同じ欠損だらけの人間だから。宗教を持っているかどうか、そんなことはたいした問題ではないのだ。
これを読んでいる最中に、B&Bで行われた、この本の訳者である小竹由美子さんと角田光代さんのトークショーに行った。
その時角田さんがおっしゃっていたのが、アーヴィングの作品は登場人物の内面に踏み込んで描かれていないようでいて、読者の琴線に触れる何かを伝えることができていて、それがすごい、と。
この作品でも登場人物の誰にも感情移入できないのに、フワン・ディエゴの養父母が亡くなったシーンでは本当に悲しくて泣いてしまって…。
そう言いながらこみあげるものがあったのか涙がじわっとあふれてきた角田さんに驚きながらもこちらももらい泣き…。
でもほんとうにそうなのだよなぁ。アーヴィングの小説って。
登場人物の行動は綿密に書いてあるけど内面についてはそれほど言及されていない。でもちょっとした描写や何かでとても印象的に伝わってくるものがあって、それだけにその人がいなくなるシーンがあっさり描いてあっても、ものすごい喪失感を覚えるのだ。
でもその死が決して悲劇だけではなく、ちょっと喜劇的でもあるのだ。
フワン・ディエゴもルペもエドゥアルドもフロールもペペ修道士もバルガスも…私のすごく近くにいて離れがたい存在になっている。
アーヴィングってやっぱりすごい。
小んぶにだっこ
9/8(金)、落語協会で行われた「小んぶにだっこ」に行ってきた。
・小んぶ「金明竹」
~仲入り~
・小んぶ「お化け長屋」
小んぶさん「金明竹」
天歌さんの実家に泊まって宮崎で仕事をしてきたときの話。
小動物が大好きなんだけど、小動物に好かれたためしがない。多分やつらが思う「人間」よりでかいからでしょう。
天歌さんの家でも犬を飼っていて、自分は犬も大好きなので「よしよし」とかわいがっていたら、なんとこの犬がことのほか小んぶさんに懐いてくれた。
家の人たちはことさら犬をかわいがったりはしていなくて、この犬も結構よく吠える犬で、ちょくちょく遊びに来るおばさんにもいつも吠えている。
おばさんも慣れたもので「このあほ犬が」「ほんまあほやな、お前は」といなしている。
それを見た小んぶさん。
こんなに「あほあほ」言われている犬とこんなに気があう俺って…と思い、ちょっと…おばさんがいる間はあんまりべたべたしないで…と思ったけど、犬の方はお構いなしに小んぶさんに向かって腹をだーんと見せてひっくり返って「かわいがって~」。
…ぶわはははは。おかしいなぁ。
あと、妹さんの子どものチャイルドシートを外して小んぶさんが乗るもんだからその子から「チャイルドシート…」と泣かれた話とか、おかしかった。
そんなまくらから「金明竹」。
これがまた小んぶさんらしい「金明竹」。
まつ公がおじさんに傘の断り方を教えてもらうとニコニコして「よし!断ろう!」と張り切ったり、まつ公が断った後でおじさんが出てくると「おじさん…聞こえてた、よね?」と言ったり。
関西弁の使いが来てそれにおかみさんが戸惑うところも、やたらとまつ公に「おともだち?」と頼ったり、旦那が帰ってきて「誰が来たんだ」と聞かれるとおかみさんが「よしましょう…」となかったことにしようとしたり。
小んぶさんらしい、疑問とその回答が楽しかった!
小んぶさん「お化け長屋」
ちょっと時間を気にしながら…。
最初の男が帰った後に、木べえさんが「こんな風に怪談話をしたんだよ」とやって見せると、聞いた長屋の男が本気で怯えるのがおかしい。
また話をしている木べえさんが「芸が細かいってほめてくれよ」と言うのも。
二番目に来た男も、豪快なだけで気はいいのが小んぶさんらしい。
木べえさんの話にちっとも驚かないけど「芸が細かいな」とほめてくれるところも笑ってしまう。
後家さんのところに泥棒が入って、寝ている後家さんの胸元に手を…と言うと、「そういう話、おれ大好き!」と喜ぶと「…そういう話にはなりません」。
…ぶわははは。
楽しかった~。
それにしても、この日はどうした?というぐらいお客さんが多くて、しかもなんか初めてという感じの人が多くて、おそろしいほどどっかんどっかんうけるので、ちょっと「え?」と思ってしまった。
なんだろう。盛り上がるのはもちろんいいんだけどあんまり盛り上がるとちょっと違うのではと思ってしまう…。ファンってめんどくさいものですね…。
上野広小路亭9月上席
9/8(金)、上野広小路亭9月上席に行ってきた。
・あら馬「雑排」
・金の助「強情灸」
・昇羊「馬のす」
・明楽「弥次郎」
・マグナム小林 バイオリン漫談
・笑好「ぜんざい公社」
・圓丸「短命」
・真理 漫談
・金遊「真田小僧」
~仲入り~
・陽子「講談ヒットパレード」(「徂徠豆腐」「楊貴妃」「赤穂浪士討ち入り」)
・D51 コント
・とん馬「替わり目」
・昇之進「大安売り」
・小助・小時 太神楽
・南なん「夢の酒」
明楽さん「弥次郎」
弥次郎が「こんにちは」と来るとご隠居が「あ、お前さんか。帰んなよ」。
ぶわははは!斬新!
「お前さん嘘つきだから嫌いなんだよ」
「そう言わずに…今日は面白い噺があるんですよ」
「どうせウソだろ」
弥次郎が自分は旅が好きであっちこっち行ってる。北は北千住から南は南ロシアまで。
南ロシアって…どこだい?
しかもその後「北海道に行って来て」と言うと「北千住より北だな。明らかに。もう嘘だな」。
面白いよー。だからそんなに卑屈にならないでもう少しだけ堂々としたらいいと思うの。
金遊師匠「真田小僧」
金遊師匠が「真田小僧」?!と驚いたのだが、やっぱり普段はあんまりやられない後半部分もたっぷり。
ですよねー。と一人にかにか。
「おっ」とか「このやろう!」という言い方だけで面白いんだよなぁ。
子どものにかっとした顔も悪かわいい。
陽子先生「講談ヒットパレード」(「徂徠豆腐」「楊貴妃」「赤穂浪士討ち入り」)
3分でできる講談といって、「徂徠豆腐」「楊貴妃」「赤穂浪士討ち入り」。
楽しい~。この芝居で見て、ますます陽子先生が好きになった。
南なん師匠「夢の酒」
おお、また「夢の酒」。この芝居あと二日続くけど私はこの日までしか来られないのでできれば違う噺が聞きたかったけど仕方ない。
この日のお客さんにはぴったりあっててとてもいい雰囲気。終わった時に隣の老夫婦が「南なんさんって面白かったわね」「とぼけてていいなぁ」と会話をされていて、うれしかった。
浅草演芸ホール9月上席夜の部
9/7(木)、浅草演芸ホール9月上席夜の部に行ってきた。
・きいち「金明竹」
・ぴっかり☆「動物園」
・三朝「子ほめ」
・ダーク広和 マジック
・さん助「胴斬り」
・龍玉「たらちね」
・おしどり 音曲漫才
・左楽「松山鏡」
・玉の輔「宗論」
・楽一 紙切り
・市馬「芋俵」
~仲入り~
・たけ平「宿題」
・志ん橋「無精床」
・ニックス 漫才
・勢朝 漫談
・小里ん「手紙無筆」
・翁家社中 太神楽
・一之輔「らくだ」
三朝師匠「子ほめ」
「子ほめ」でこんなに面白いなんて!すごいな、三朝師匠!
さん助師匠「胴斬り」
わーい!胴斬り!
この浅い出番で「胴斬り」って最高~。
最初噺の展開にポカンとしていた浅草のお客さんが徐々に「ぶふふふ」と笑いが起こってくるのが快感だった。
弟(足)から兄(上半身)への言づけに「あんまり女湯を見ないように」は今まで言ってなかったような気が。浅草だから?(笑)
楽しかった!
龍玉師匠「たらちね」
龍玉師匠がやると「たらちね」さえも何か因縁めいて見えるのがすごい(笑)。
おしどり先生 音曲漫才
前に一之輔師匠の会のゲストで見たことがあったけど、落語協会に入ったからこれからはこれを寄席で見られるのか。幸せ!
1ミリも笑えない漫才とかキセルとかの出番を減らして、おしどり先生をもっと入れてほしい。
左楽師匠「松山鏡」
最初から最後までなんか独特のこう…民話のような…のんびりしたいい空気で楽しかった~。
こういう師匠を一之輔師匠のトリの芝居、しかも浅草で見られるとは思ってなかった。
今日は来てよかった~!という気持ちが盛り上がってくる。
市馬師匠「芋俵」
「芋俵」でもこんなに面白いのか。お客さんのノリがよくて市馬師匠もどんどんのってくる感じで、楽しかった~。
たけ平師匠「宿題」
ちょっと苦手な師匠だけど、この噺は合ってて面白いよなぁ。そういえば初めてたけ平師匠を見た時もこの噺だった。
志ん橋師匠「無精床」
あんまり好きな噺じゃないのにすごく楽しかった。
「おっ」って言うだけですっごく笑えるの。
一之輔師匠「らくだ」
兄貴分がすごく怖い。
私、兄貴分があまりにも怖い「らくだ」は好きじゃないんだけど、でももうほんとにさすがの面白さ。
屑屋さんが八百屋に行って樽を借りようとして断られて「(かんかんのう)今度はうまく歌おう」とつぶやいたり、いろんなところに入ってるギャグやクスグリがもういちいちおかしくて笑いっぱなし。
三杯目の酒を飲んだ屑屋さんが豹変していくところももう痛快で、楽しかった。
さすが一之輔師匠はすごいなぁ…。
すごい満足感だった。この芝居。
上野広小路亭9月上席
9/7(木)、上野広小路亭9月上席に行ってきた。
・桜子「松井須摩子」
・金の助「強情灸 」
・昇羊「馬のす」
・明楽「幇間腹」
・マグナム小林 バイオリン漫談
・笑好「片棒」
・新山真理 漫談
・圓丸「目黒の秋刀魚」
・金遊「野ざらし」
~仲入り~
・陽子「春日局」
・D51 コント
・とん馬「稽古屋」
・伸乃介「真田小僧」
・小助・小時 太神楽
・南なん「阿武松」
昇羊さん「馬のす」
まくらも楽しいし携帯の注意もして、ちゃんとこの出番の仕事をしてる!って感じ。
前座さん終わって一番目の出番なんだもん。ある意味すごく大事だよね。無駄に客いじったりつまんなそうに落語やるなよ!って思う。
「馬のす」もちょっと危ないところもあったけど楽しかった~。枝豆おいしそう!
明楽さん「幇間腹」
なーんか面白いんだよなぁ。
私、暗かったり自虐的だったりする噺家さんって基本的に好きじゃないんだけど、この人にはなんか妙に惹かれるなぁ。
若旦那が「鍼をやろう」と思いつくとき、「あ、そういえばこの間鍼医さんが来て親父にとーんと打ったら親父がそのまま意識不明になっていまだに起きてこない」とぼそっといったのがおかしかった。
なんかいつもそうやってるのか、その場で思いついてぽそっと言っちゃったのか、それすらよくわからない怪しさ。気になる。
笑好師匠「片棒」
ほんとにいろんな意味でびっくりだよ…。小康状態どころじゃない。
圓丸師匠「目黒の秋刀魚」
この師匠が出てくるとほっとする。ほっ…。
金遊師匠「野ざらし」
決してすごく陽気なわけじゃないのに、なんか楽しい。好きだなー。
陽子先生「春日局」
見るほどに好きになる。誰かさんと違って「この続きは明日」といって逃げてるわけじゃなく、ちゃんと続きをやってくださる。すばらしい。
南なん師匠「阿武松」
南なん師匠の「阿武松」大好き。「おまんまのかたき」に実感がこもってる(笑)。
途中、歴代横綱の名前を挙げていくときに、一瞬危なくなりかけて「あ、あぶなかった」と言ったのがおかしいやらかわいいやら。ラブ。
上野広小路亭9月上席
9/6(水)、上野広小路亭9月上席に行ってきた。
南なん師匠がトリをとるからそれに合わせて夏休みをとったのだ!いぇい。
・あら馬「芋俵」
・桜子「秋色桜」
・鯉輪「初天神」
・明楽「転失気」
・マグナム小林 バイオリン漫談
・笑好「動物園」
・圓丸「たらちね」
・真理 漫談
・金遊「錦の袈裟」
~仲入り~
・陽子「名人小團冶」
・D51 コント
・伸乃介「ちはやふる」
・小助・小時 太神楽
・南なん「夢の酒」
鯉輪さん「初天神」
相変わらずの客いじり。感じ悪いだけだからやめればいいのに…。
でも「初天神」もなぁ…全然楽しそうじゃないんだよなぁ。
明楽さん「転失気」
陰気な感じで出てきて表情も固くて緊張している風だったので、
上下もあんまり振らないし肩があがっていてかたい感じなんだけど
間違えたのかそういう風に変えているのか、
え?と思っていると「え?また花屋?この狭い通りに二軒も…
さらに二軒目の店主が「転失気は…
「え?し、死んだ?」
「ああ、死んだ。尻尾を振って可愛かったけどな…。
「い、いえ。もちろん覚えてますよ。あんなに…ぼくに…
「犬なわけないじゃないか!転失気は…転失気だよ」
もう途中からつぼにはいって笑い通し。面白い!
金遊師匠「錦の袈裟」
声も張らないししぐさも控えめ。
喋りだけでこんなに面白いってなんかすごいな。
陽子先生「名人小團冶」
陽子先生が出てきただけで高座がぴかーっと明るくなる。
楽しかった~。
伸之介師匠「ちはやふる」
ひょうひょうとしていて、なんともいえずおかしい。笑った~。
南なん師匠「夢の酒」
きっと今の南なん師匠のマイフェバリット噺、「夢の酒」。
お花と大旦那の関係がすごく好き。
夢の中のご新造に会ってきてくれと言われて「わかったよ。ああ、
酒飲みの大旦那が夢だとわかって、
なんかそれ以上でもそれ以下でもないっていうシンプルさが好き。
池袋演芸場9月上席夜の部
9/5(火)池袋演芸場9月上席夜の部に行ってきた。
・マグナム小林 バイオリン漫談
・和光「ぜんざい公社」
・可風「だくだく」
・コント青年団 コント
・夢丸「お菊の皿」
・米福「稽古屋」
~仲入り~
・蘭「信長と吉乃」
・べ瓶「江戸荒物」
・伸治「棒鱈」
・初音 太神楽
・春馬「鷺とり」
和光師匠「ぜんざい公社」
この面白くない噺をこんなふうに面白くできるとは。さすが。
「お役所」
可風師匠「だくだく」
可風師匠はもっと見たいと思っていて、
「亀ネコを描いてください、ええと、頭が亀で身体が猫」
「ええ?なにそれ?自分で描いてて気持ち悪い」
「そんなことないですよ。かわいらしいじゃないですか」
この亀ネコがサゲにもつながっていて、
夢丸師匠「お菊の皿」
はちゃめちゃに楽しい。
怖がってキャーキャー言う若い衆が夢丸師匠にぴったり。
興行主が入ってからの太鼓のものすごく大きな音とか、
べ瓶さん「江戸荒物」
面白い!何回か見てるけどべ瓶さんを面白くなく感じたことが一度もないな。
すごくセンスがいいんだと思う。
伸治師匠「棒鱈」
ふにゃっとした笑顔で「ああ、今日はここに来てよかった」といつも思わせてくれる。素晴らしい。
伸治師匠の「棒鱈」は何回も見ているけど、酒癖の悪い男さえもかわいい。好き。
春馬師匠「鷺とり」
こういう噺をトリでするっていうのにまずぐっときちゃうし、どこからどこまでもバカバカしくて、知っているに全部に笑ってしまう。
楽しかった~!
上野広小路亭9月上席
9/5(火)、上野広小路亭9月上席に行ってきた。
・あら馬「金明竹」
・金の助「子ほめ」
・伸べえ「二人旅」
・音助「転宅」
・よし乃 太神楽
・柏枝「引っ越しの夢」
・遊之介「たらちね」
・宮田章司 江戸売り声
・遊三「火焔太鼓」
~仲入り~
・小助六「お見立て」
・Wモアモア 漫才
・遊吉「安兵衛狐」
・蝠丸「昭和任侠伝」
・小天華 マジック
・助六「長命」
金の助さん「子ほめ」
明るくて元気で楽しい。会話の時に「え?」
音助さん「転宅」
ものすごい安定感。以前より生真面目な感じが抜けて、
女が色っぽくていいな。泥棒の間抜けな感じにかわいさが加わったらもっともっと魅力的になる気がする。
柏枝師匠「引っ越しの夢」
柏枝師匠の無表情と上半身をぴしっとして動かさないところがこの噺にぴった
目をぎょろっと開いたまま「んごーんごーー」
夜這いをかけようという店の人たちのいやらしさもこの師匠がやると全然気持ち悪くないので、ただただおかしい。楽しかった!
小助六師匠「お見立て」
若い衆の軽さと花魁の気だるさと田舎の「お大臣」
テンポがいいから聞き心地がいいんだよなぁ。大好き。
遊吉師匠「安兵衛狐」
早口でさらっとした語りがくどくなくて好き。繰り返しが妙におかしい。
蝠丸師匠「昭和任侠伝」
ほんとは幽霊の噺をしようと思ってきたんですけど、
このばかばかしさと楽しさ。ほんとにいつ見ても安定した面白さ。最高だ。
助六師匠「長命」
面白かったんだけど、なんとこの芝居毎日トリで同じ噺をかけていたと聞いて、えええ?毎日見に行ってトリが毎日同じ噺だったらがっかりだなぁ…。
第180回 名作落語の夕べ
9/2(土)、横浜にぎわい座で行われた「第180回 名作落語の夕べ」に行ってきた。
昼はにぎわい寄席で南なん師匠のトリ、夜はさん助師匠のリレー落語という夢のような一日。
にぎわい座にお籠り(いったん外には出たけど)したのは初めて。
・寿伴「道具屋」
・鯉橋「茶の湯(前半)」
・夢丸「茶の湯(後半)」
~仲入り~
・さん助「三人旅(前半)」
・左龍「三人旅(後半)」
鯉橋師匠「茶の湯(前半)」
鯉昇師匠に入門のお願いをしに行った時のこと。
師匠が「え?うちに?…うちは厳しいよ。どこも厳しいけどうちは特に厳しい。それでも大丈夫?」。
「お願いします!」。
入門後一番最初に覚えたのが、食べられる草と食べられない草の見分け方。あちこち試したけど一番栄養があるのが皇居のまわりの草。
厳しいのは修業じゃなくて生活のほうだった…。
…ぶわははは。
鯉昇師匠のまねがうまくておかしい~。
そんなまくらから「茶の湯(前半)」。
茶器の持ち方から回し方など、明らかに鯉昇師匠の「茶の湯」で嬉しくなる。
お茶を泡ださせるために「全温度チア」は懐かしい!
端正だけど力が抜けてて自然体で素敵だな、鯉橋師匠。
夢丸師匠「茶の湯(後半)」
前座のころ、一番つらかったのが休みがないこと。
一度、某師匠に牡蠣鍋をごちそうになったらあたってしまった。お腹を壊していても仕事を休むことはできない。
いつもは高座に上がれるのは楽しみなんだけど、その時に限っては上がりたくない!
それでも出番をいただいたので上がって…いつもとは打って変わって低い声…渋い表情。
たまたま見に来ていたともだちが「お前、貫禄でてきたな」。
貫禄が出てたんじゃなくてお腹に力が入らなかっただけ!
そんなまくらから「茶の湯(後半)」。
朝昼晩と茶の湯をやっていたご隠居と定吉はすっかりお腹を壊し、「あたしたちだけじゃなく他の人にも飲ませましょうよ」と定吉。
目は落ちくぼみ表情もダークになった定吉が長屋に招待状を届けるのがおかしい。
どんなにダークにふるまっても、永遠の定吉、夢丸師匠だからかわいらしい。
はっちゃけて爆笑編の「茶の湯」だった。楽しかった~。
さん助師匠「三人旅(前半)」
まくらなしで「三人旅(前半)」へ。
この会は一人持ち時間が30分ということで、前に見た時よりたっぷりの「三人旅」。
江戸っ子が無尽に当たって困った困ったと言っていると友だちが「俺は人の金を使うのは得意だ」と言って、大門を閉めるのはどうかと提案。
大門を閉めるにはちょっと足りないという男。聞いてみれば当たったのは千両どころか15両。
それでも名前を残すことはできるといって、15両分の油揚げを買って塔のてっぺんに上って油揚げを撒けば日本中のとんびが集まってくる、と言うんだけど。
とんびが飛んで来て油揚げに食いつくしぐさがもうたまらない。さん助師匠の動物ってほんとになんであんなに面白いんだろう。
それから旅に出て「びっこ馬」になるんだけど、もうこのシーンが本当によくて。
田舎の馬方のおじさんが馬を引く様子。本当に田舎の風景が浮かんできて…馬に乗っていい風に当たってるような気持ちよさ。
うわーーー、なにこれ。
げらげら笑える、っていう噺じゃないんだけど、なんとも楽しくて幸せ感に包まれる。
びっこの馬に乗せられてがったんがったんするのもおかしくて、本当にあっという間の30分だった。
本当に良くてかっこよくて惚れ直した~。
左龍師匠「三人旅(後半)」
さん助師匠とは違うかたちらしく、前後半でちょっと違うところが。
旅館に泊まってからの「おしくら」なんだけど、女中のキャラがすごくおかしい。訛り方が独特で、繰り返すたびに大笑い。
「年増」すぎる女もおかしかった~。
好きな師匠ばかりでそれぞれに持ち味が出ていてほんとに楽しい会だった。満足。
横浜にぎわい寄席
9/2(土)、横浜にぎわい寄席に行ってきた。
・竹わ「初天神」
・鯉ん「四人癖」
・笑組 漫才
・龍玉「もぐら泥」
~仲入り~
・ときん「家見舞」
・正二郎 太神楽
・南なん「中村仲蔵」
竹わさん「初天神」
学校寄席のまくらから「初天神」。
テンポがよくて口調がよくて噺がしっかりしているから、時折どきっとするようなギャグが入るとそれがすごく引き立って面白い。
竹わさんといい、竹千代さんといい…師匠は苦手だけど弟子は好きだな…。
鯉んさん「四人癖」
長いまくらからの「四人癖」。
確かに自分で言ってたように、やたらと襟を直すくせのある鯉んさん。
鼻の下をこすったり、目をこすったり、手をばたばたさせたり…。目まぐるしいけど鯉んさんにとてもよく合ってた。
龍玉師匠「もぐら泥」
寄席だとなかなか本気を見せない(失礼!)龍玉師匠だけど、「もぐら泥」すごくよかった!
鯉泥のまくらからの流れ。もしかしてさん助師匠と出所は一緒なのかな。あるいはさん助師匠、龍玉師匠に教わったのかな。
同じ展開なのにまったく印象が違う。
龍玉師匠の「もぐら泥」、出てくる人たちがみんな腹に一物ありそう。泥棒に入られる長屋の男もそのおかみさんも展開によっては殺したり殺されたりしそう(笑)。
さん助師匠の泥棒はどんなにすごんでも明らかにまぬけそうだったけど、龍玉師匠の泥棒はほんとに火をつけそう。目が怖い~。
圓朝風味の「もぐら泥」、すごくいいものを見た気分。よかった!
ときん師匠「家見舞」
ときん師匠の落語はのびのびしているから好きだなー。
50銭って見せるときに手がかじかんでいたり、瓶の水を使った料理にびくびくしたり…。わかっているけど笑ってしまう。
楽しかった。
南なん師匠「中村仲蔵」
わーい、南なん師匠。1ヵ月ぶり~。会いたかったよう。
まくらなしで「中村仲蔵」。きゃ~。
でも前半はちょっとなんか話しづらそうな印象が。体調がよくなかったのか、呼吸があわなかったのか。
最前列で見ていたのでちょっとどきどき。
でも後半に入ったらいつもの南なん師匠にもどって、私自身も噺に入り込んで、舞台の上の仲蔵がくっきり浮かんで、仲蔵の気持ちに寄り添って一喜一憂して、最後は涙…。
ああ、でも、そうなのだ。あまりに好きで見に行きすぎているとその日の調子とか細かいところもよーくわかるようになってしまい、純粋に落語を楽しむ「いいお客」じゃなくなってしまう。
小三治師匠でも私は好きすぎて見に行きすぎて、そういう風に見てしまうんだよなぁ。これって明らかに追っかけの弊害だよな…。反省するけど欲が深すぎてつい見に行ってしまうんだけど。
末廣亭9月上席夜の部
9/1(金)、末廣亭9月上席夜の部に行ってきた。
・ぴろき ウクレレ漫談
・夢花「魚根問」
・松鯉「たまごの強請」
~仲入り~
・夢丸「旅行日記」
・青年団 コント
・枝太郎「源平盛衰記」
・米福「夏泥」
・正二郎 太神楽
・遊雀「三枚起請」
ぴろき先生 ウクレレ漫談
地方の仕事で旅館に泊まり混浴に入ったらおばあさんが入ってきてずっと二人きりで、割り切れない思いで近くのヌード劇場に行ったら出てきたのがそのおばあさんでって…笑った…。
夢花師匠「魚根問」
大好きな夢花師匠の「魚根問」。この日のお客さんには合わなかったようで…えええ?こんなに面白いのにこの反応?!と逆に笑ってしまった。ぶわははは。
松鯉先生「たまごの強請」
まくらで脱線したら「あれ?その前に何を話してましたっけ?(自分で)余計なこと言って忘れちゃった。いや、ほんとに忘れちゃったんですよ。ま、いいか。話に入ります」。
…ぶわははは。松鯉先生がそんな入り方をされることもあるんですね!
「たまごの強請」は何回か聴いたことがあったけど、面白い。いいなぁ、松鯉先生。もっと見たい。
夢丸師匠旅行日記」
笑顔で出てきただけで幸せオーラに包まれる。寄席の太陽。
5年前に来たときは鶏三昧、二年前に来たときは豚三昧、それで値段が安くておみやげまで持たせてくれて…この宿は俺の行きつけだからと友だちを連れて来た男。
宿帳をつけさせてくれと部屋をたずねてきた主人から聞く驚愕の事実(笑)。
主人が「きんぴらでもすんべぇと庭さ出たら、鶏がおっちんでてて。ごぼうはまだ土の中だんべ?鶏はそこに倒れてるだんべ?じゃ、鶏にすべ、ってことになって」
と素朴に…でもちょっと悪い顔で語るのがおかしい~。楽しいなぁ、夢丸師匠の落語は。
遊雀師匠「三枚起請」
「この後、深夜寄席でさっき出た鯉八とか…面白い若手が出る会がありますから、お時間のある方はそちらもぜひ」と言った後で、「いやでも深夜寄席ってお客さんがすごいたくさん入るんだよね。今の二ツ目すごい人気があって勢いあるし。人の心配してる場合じゃねぇな、おれも。ま、コツコツとつぶしていきますから」と爪でつぶすしぐさ。
…わははは。でもそう言いながら自分の会に呼んだニツ目さんのことを手放しで褒めたりして…優しいんだよなぁ、遊雀師匠って。
そんなまくらから「三枚起請」。
若旦那がもらった起請が、自分に起請をくれたのと同じ女からのものだとわかってからの展開がめちゃくちゃ楽しい。
遊雀師匠の掌の上でころがされる楽しさ。
追い詰められた花魁が開き直る姿がいっそ清々しい。
だから全然後味が悪くないんだよなぁ。
楽しかった~!