りつこの読書と落語メモ

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南湖凌鶴二人会(第1回)

4/30(火)、永谷フリーサロン新宿FU-PLUSで行われた「南湖凌鶴二人会(第1回)」に行ってきた。

・凌鶴&南湖 トーク
・凌天「鬼児島彌太郎」
・凌鶴「ネパールの救急車」
・南湖「ガンジス河の仇討ち」
~仲入り~
・凌鶴「村山聖
・南湖「血染の太鼓 広島商業作新学院

凌鶴先生&南湖先生 トーク
今回、二人がそれぞれ自分の作った新作を20作ずつリストアップして、お客さんがその中からそれぞれについて2作ずつリクエストし集計して一番数の多かった話を2席ずつやるという企画。
リストアップされた作品を先生方が「こういう内容で」とか「こういういきさつで作った」とか説明していく。
作っている新作の内容も全く違うタイプだし、説明の仕方も個性が出ていて面白い。
南湖先生は「これはどこへ行ってもウケる話。テッパンですわ」「これは人情噺やね。自分の会でやって評判良かったから池袋でかましたれ!思ってやったらダダすべりしましたわ」等、エモーショナル(笑)。
凌鶴先生は、プロ野球のマスコットの中に入って人の話や80歳を過ぎてから定時制高校に行き始めた人の話など、話の内容について淡々と。
凌鶴先生も聞き始めたばかりだし、南湖先生を聞くのは初めてだし、どれも聞きたい!うぉーー。
というわけで私はどちらかというとテッパンっぽい話を投票したんだけど、投票で決まったのは二人が「これはないやろ」「これは…長いから今日はやめた方がいいかと思って一番下にしておいたんだけど」と言ってた話に決定。
きっと玄人なお客様が多かったんだろうな。でもそりゃそうだよ。せっかくこんなマニアックな会なんだもの。マニアックな話を聞きたいよね!

凌鶴先生「ネパールの救急車」
吉祥寺にあるネパール料理のお店や地元のネパール料理のお店に通って店主が読めない学校からのお知らせなどを読んであげているという凌鶴先生。
お店の主人から聞いたという実話。
ある日お店の前に救急車が止まり、それを見た店主がいたく感動。ネパールには救急車はなく有料の籠で運ぶので病院まで何時間もかかる。あんなふうに医療器具を載せてすぐに駆け付けてくれたらどれだけの命が助かるのだろう。
お客さんにそんな話をするとたまたまそこにいたお客さんが行政書士の方で 、救急車を購入するとなったら何千万もかかるだろうが、車検が切れて廃棄処分になる救急車ならことによると…と言う。ならば一緒に救急センターを訪ねて聞いてみようということになる。
話をしに行くと応対してくれたセンターの人が「通常はそういうことはしないですけど、ネパールの人たちを助けたいという気持ちが素晴らしい。話をしてみます」と。
果たして救急車は手に入るのか、そしてそれを無事ネパールに送り届けることはできたのか…。

…とてもドラマチックな内容で、言い立てもあったりして、エキサイティング!
ああ、でも世の中にはこういう出来事もあるんだなぁ…。お金持ちじゃなくても志のある人がいてその気持ちが通じると周りの人が動いてくれたり行政も動いてくれたりするんだなぁ。
よくぞこういう話を見つけて講談にしてくださったなぁ。
胸がいっぱいになった。よかったー。

南湖先生「ガンジス河の仇討ち」
まさかこれが選ばれるとは、と南湖先生。私結構わかりやすく選んでほしい話については「これはええで」とアピールしたつもりやったんですけどね。
インドには講釈師が集まって住んでいる村がありまして。これはほんとの話です。
というのはインドにはカースト制があって職業は親からその子供へと受け継がれていく。勝手に別の職業に就くことができない。家族で同じ仕事をするので職業が村ごとに偏るのは道理。
で、インドの講釈師っていうのはどういうものかというと、宗教画を巻物のように見せながら講釈で話をして伝える。この講釈が今廃れつつある。
というのは、宗教画がヨーロッパからの観光客によく売れる。
そうすると親から子に伝えるときに、話の方じゃなく絵の方ばかりに力が入るようになる。手っ取り早く金になる絵の方に力が入るから話がおろそかになり講釈が廃れてきてる。

今からする話は私が作ったのではなく、インド人の講釈師カーンくんが作った話です。カーンくんは日本が大好きでとても詳しい。なので、インドと日本がごっちゃになってます。
そんなまくらから「ガンジス河の仇討ち」。
いやこれがもう…和洋折衷というか荒唐無稽というかすごく面白い話で。
南湖先生のギャグも入って楽しい~。笑った笑った。

凌鶴先生「村山聖
「私もまだまだ未熟ですね…二人会なのでついつい力が入ってしまってもう喉がガラガラです」と凌鶴先生。
同率一位で選ばれたのがこの話で、「これは…長いんですよ…だから二人会には向かないなと思って一番下に書いておいたんですけど…」。
将棋に詳しくない私でも村山聖の名前は知ってる。「三月のライオン」で。
彼の一代記。
病気と闘いながら将棋に命を懸けた人生。
両親の献身、師匠との出会いや師匠の力強い後押し、羽生とのライバル関係。
わがままともいわれている村山だけれど、そのひたむきさに涙…。
聞き終わった後も余韻が残り、今これを書いていても胸になんともいえない思いが蘇ってくる。
素晴らしかったなぁ。聞けてよかった。

南湖先生「血染の太鼓 広島商業作新学院
講談師旭堂南北先生の実話。
広島商業に入り応援団として甲子園へ。広島商業には達川がいて、甲子園では作新学院の江川とも対決をしたという…。
その甲子園での試合の実況中継が講談になっていて、手に汗握る内容。
面白い~。
こういう話も講談になるんだ!講談ってすごく自由なんだなー。

全く違うタイプの二人のガチ対決。
見ごたえがあって本当に楽しかった。
南湖先生、初めて見たけど大好きになった。そして凌鶴先生のじんわりくる講談の良さも再確認した。

第二回目もありますように!