りつこの読書と落語メモ

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82年生まれ、キム・ジヨン

 

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

 

 ★★★★★

ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作!韓国で100万部突破!異例の大ベストセラー小説、ついに邦訳刊行。 

どんな衝撃的な物語なのかと身構えて読んだが案外フツウのことが書いてあるだけだった。でもこれをフツウと思ってしまうのは、自分が今までの人生でそう感じるように仕向けられてきたのだと言われればそうなのかもしれない。
なんだフツウの話じゃんと思いながら、自分が今まで見ないようにしていたものを振り返らずにいられないから、すごい作品なのだ。

声高にフェミニズムを叫ぶことにどうしても抵抗を感じてしまうのだが、主人公を「これは私だ」と多くの人たちが感じてしまうのは、正しい状態とはいえないよなと思う。

日本では女性は低く見られていたことは紛れもない事実だが、一方で男性が優位で生きやすかったのかといえば決してそんなこともないと思う。
女性だからといって差別されたり低く扱われてきた歴史があったことやそういう差別がいまだに残っているということは間違いのない事実だが、女性対男性と分けることにはどうも違和感を感じてしまう。

どうも歯切れの悪い感想になってしまうのだが、もやもやした読後感。このもやもやはなんなんだろう。