りつこの読書と落語メモ

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人間に向いてない

 

人間に向いてない

人間に向いてない

 

 ★★★★

ある日突然発症し、一夜のうちに人間を異形の姿へと変貌させる病「異形性変異症候群」。政府はこの病に罹患した者を法的に死亡したものとして扱い、人権の一切を適用外とすることを決めた。十代から二十代の若者、なかでも社会的に弱い立場の人たちばかりに発症する病が蔓延する日本で、異形の「虫」に変わり果てた息子を持つ一人の母親がいた。あなたの子どもが虫になったら。それでも子どもを愛せますか? メフィスト賞受賞作! 

ひきこもりやニートの若者が次々異形に変わっていく奇病が流行る世界。
「社会的弱者の間引き」という考え方は赤ん坊や老人に不寛容な今の日本にも通じるものがあってぞっとする。

変わり果てた息子の姿に戸惑いながらもどうにか折り合いをつけて暮らしたい母親とこんなものはもう息子でもなんでもない棄ててしまえという父親。
タイトルと表紙にドキッとしたが、家族とは、普通とは、ということを描いたまっとうな小説だった。

後半がなんかフツウな展開だったな、なーんだ、と思ってしまう私は、ソローキンにおかされているのかもしれない…。