りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場7月上席夜の部

7/9(月)、鈴本演芸場7月上席夜の部に行ってきた。

・小菊 粋曲
・圓丈「ランゴランゴ」
・白酒「茗荷宿」
~仲入り~
・にゃん子・金魚 漫才
・小せん「犬の目」
・楽一 紙切り
・天どん「唐茄子屋政談」


圓丈師匠「ランゴランゴ」
苦手だった圓丈師匠、最近好きになってきた。
釈台を置いて台本を見ながらの高座。気にならなくはないけど、言葉が出てこなくてひやひやするよりはいいかもしれない。
アフガニスタン出身の前座っていう発想がすごい。「ランゴランゴ」っていうタイトルも秀逸だなぁ。
面白かった。


白酒師匠「茗荷宿」
実は白酒師匠目当てだったんだけど、ちょっと気のない高座だったような…。
この後浅草のトリが控えてるから仕方ないか。
でも気はなくても面白いのがすごい。


小せん師匠「犬の目」
「本来ならここには白鳥師匠か彦いち師匠という力技で…ねじ伏せてでも笑わせてやる!っていう人が出てくるはずだったんですが、申し訳ございません。また腕っぷしという意味でも私が入ることでずいぶん力不足になっております」。
…ぶわはははは。でも私はこの代演うれしいよ!小せん師匠、大好き。

「犬の目」、グロテスクなところも軽くて楽しい。
ご機嫌な先生に思わず見ているこちらもにこにこしてしまう。
楽しかった!


天どん師匠「唐茄子屋政談」
昨日はふざけすぎたから今日はちゃんとやりますよ、と天どん師匠。
くーー、ふざけた高座が見たかった。ってことは古典かー。がっかりー。(ファンの方、ごめんなさい)
と思ったんだけど、面白かった、天どん師匠の「唐茄子屋政談」。

甘ったれた徳三郎に叔父さんが容赦なくたたみかけるところが面白い。
叔父さんがムキーとなって首根っこをつかんでぐいぐいやるしぐさ、笑った~。

永代橋で転んで荷をひっくり返したところに現れた江戸っ子。徳三郎の顔を一目見るなり「勘当だな、お前。わかるよ。一目見ればわかるんだよ」。
その後集まってくるこの江戸っ子の友だちもみな徳三郎を見ると「あ、勘当」「勘当顔だよ、お前」。

そういう独自なギャグも面白いんだけど、吉原田んぼを歩いているところがとってもよかった。
「みんなは花魁が俺のことをだましたっていうけど、俺はそうじゃないんじゃないか、花魁は俺に惚れてたと思うんだよなぁ」と言いながら甘い思い出に浸るところ、なんか甘い雰囲気が伝わってきて、徳三郎がとてもチャーミング。
天どん師匠の語りはどちらかというとシニカルなのに、徳三郎には甘い雰囲気がちゃんと出てる。おおっ。

あと、徳三郎が長屋のおかみさんに売りだめを全部渡して帰って来たと聞いた叔父さんが「確かにお前はいいことをした。だけど今のお前がすることじゃない。そしてそれが結果的に悪いことにつながることもある。いやな予感がするからそこへ連れていけ」というセリフ。
今まで聞いたことがなかったけど、確かにそうだなぁと思ったのだった。

一番最後に勘当が解かれたことを地で語り、「若旦那、頑張ったのは結局一日だけ、のお話でしたー」と言ったのにも大爆笑。
その一言もこの高座を邪魔してないというすごさ。
かーっ、やりやがる。
悔しいけれど面白い。やっぱりこれぐらい個性がないと寄席のトリの出番はもぎとれないのかもしれない。