りつこの読書と落語メモ

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ドレス

「ドレス」(藤原可織)

 愛しかったはずの誰かや確かな記憶を失い、見知らぬ場所にやって来た彼女たちの物語。文学と奇想の垣根を軽やかに超える8編。

 ★★★★

わかりあえないんだけどそのことすらもうどうでもいいような、自分が見たいものしか見ないと決めてかかっているような、そんな人たちの物語が収められている。
彼らのとんでもない無関心がやけにリアルで怖い。

怖いけどキラリと美しくもあって、なんだろうな、この感じは。
自分の肌にシミができていく過程をじーっと息を殺して感じ続けている作品があったけど、全体的にそのイメージがあった。自分の中から生まれてくる感情や感覚にだけ意識を研ぎ澄ましている感じ。

他者に対する圧倒的な無関心。でも嫌いじゃない。