りつこの読書と落語メモ

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湯島de落語 ぎやまん寄席 金原亭馬治・柳家さん助ふたり会

 7/3(月)、湯島天神参集殿で行われた「湯島de落語 ぎやまん寄席 金原亭馬治・柳家さん助ふたり会」に行ってきた。
 
・ぐんま「たらちね」
・さん助「やかん泥」
・馬治「阿武松
~仲入り~
・馬治「笠碁」
・さん助「質屋庫」
 
ぐんまさん「たらちね」
名前は聞いたことがあったけど見たのは初めて。
白鳥師匠のお弟子さんだからきっと強烈なんだろうと思って見ていたら、意外にもちゃんとした古典(失礼!)。なんだけど時々すごい寄り目になるのが妙に面白い。
そして最後の方に来て、えええ?そこで??というような絶叫。なんじゃそりゃ?!と思いながらも大笑いしてしまった。
 
さん助師匠「やかん泥」
「私、喫茶店に行くのが好きでして」とさん助師匠。
といっても高級な店には行かない。ベローチェとかドトールとかちょっときばってサンマルクとかそんなところ。
で、ああいう店には「季節限定」とか「イチオシ」のメニューっていうのがある。そういうのを注文したくなるんだけど、私がそういうメニューを注文すると必ず店員さんに怪訝な顔をされたり聞き返されてしまう。
この間も「季節限定バナナスムージー」というのを飲んでみたいと思って注文したら、店員さん…若くてすごくかわいい女の子が、私が「バナナスムージー」と言ったら、顎を突き出して「はぁぁ?!」。
思わず「アイスコーヒー」と言い直してしまいました。
いつか、バナナスムージーを飲んでみたい…。
 
…ぶわはははは。
見た目がおじいちゃんっぽいからそんなものを頼むはずがないと思われている?!
おもしろすぎる、そのエピソード。
 
そんなまくらから「やかん泥」。
「やかん泥」といえば、昨年の終わりごろにしきりにやっていたけど、ある時からなんか調子を落としたのか明るさとか楽しさがなくなってしまったように感じる時があって、ちょっとトラウマな噺。(あくまでも私が勝手に感じてるだけなんだけど)
それが昨日の「やかん泥」はとても楽しくて、特にあの親分が犬くぐりから入っていく場面のばかばかしさ!
「こうやって頭をドリルのようにしてだな」っていうセリフ、前はなかったよなー。
 
後から出てきた馬治師匠が「よくああいうことをできますね…使えるもの(ハゲ頭)は何でも使いますねぇ…」って言ってたけど、いやほんとに。ハゲ頭を武器にできるのはすごい(笑)。
 
弟分が兄貴分から盗んだ台所道具を受け取るところで「金だらい」を受け取った後の音を出すところがなく、あれ?と思ったら、また兄貴分から「金だらい」を受け取ったところで、思わず「また?!」と声が出てしまった…。他のお客さんも気付いたみたいだったんだけど「もう一回金だらいだよ。ここがライブの面白さ!」とさん助師匠が開き直ったので大笑いだった。
 
馬治師匠「阿武松
七夕が近いということで湯島天神には笹が飾ってあって「私とさん助さんも願いことを書いて飾りました」と言う馬治師匠。
「私の願いは…ハゲになりませんように。」
 
もう最近テレビをつけると必ずやってますね。「このハゲーーー」ってやつ。
もうほんとに勘弁してもらいたい。
そういうセリフをうちの女房にインプットするのは…。絶対使いますからね。
 
そう言って笑わせたあとに、「でも私とさん助さんの願いは1つかなってるんです。私もさん助さんも、”落語家になれますように”って同じように強く願っていたわけで、その夢はかなったんです」
 
…なんかどきっとしてちょっとじーんときた。
 
そんなまくらから「阿武松」。
ちょっと地噺っぽくご自身の前座時代のしくじりなどを噺の途中に混ぜていて、これがとても面白い。馬治師匠って結構独自にサゲを変えたり新作っぽいテイストを加えたり…そういうところも好きだなぁ。

長吉が素朴でかわいらしくて馬治師匠にぴったりで、武隈部屋を破門になってとぼとぼ歩いている姿が浮かんでくるよう。
宿屋の主人・橘家善兵衛もすごくあたたかくて優しくてでも実質的でいい感じ。

馬治師匠の語り口とこの噺がとっても合っていて、とてもきれいな落語。きれいだけど素朴であたたかくてとぼけた面白さがあるから、最初から最後までとても心地よく楽しい。

うーん。さん助師匠と馬治師匠、全然タイプが違う二人が全く違う魅力を見せてくれて、これはもうたまらん!この組み合わせを考えたお席亭、すばらしい。
 
馬治師匠「笠碁」
待ったをしてくれなくて怒り出すおじいさんも、昔のことを持ち出されて絶対待たない!と意固地になるおじいさんも、とてもかわいい。
 
喧嘩別れして退屈した二人のおじいさん。
その絶望ぶりがすごくおかしい。
忘れて行った煙管をお返ししてきましょうかと奉公人が言うと「これに最後ののぞみをかけてるんだ!」「この煙管がいまこの家で一番大切なものだ!」と怒りを沸騰させるのがたまらなくおかしい。
どんなに激しく怒っても全然怖くなくていやな感じが全然しないのは強みだよなぁ。
 
笠をかぶって通るところや、碁盤を出してくるタイミングなど、細かいところが違っていて、これは馬治師匠のオリジナルなのかな。
若々しくてかわいらしい「笠碁」だった。よかった~。
 
さん助師匠「質屋庫」
突然番頭さんが旦那に呼ばれるところから始まって、「んん?」と驚いていると、「こんな始まり方もあるんです。結構時間が押してるから」とさん助師匠。
ぶわはははは。
なんの噺かと思ったら「質屋庫」だった。

旦那が番頭に話す「質物に気が残る」おかみさんの帯の話、すごくおかしい。
そして次々自分の罪を告白するくまさんの言い訳もおもしろい。
怖がる番頭とくまさんが離れで待っているところも楽しくて、満足~。
 
さん助師匠の「質屋庫」は二回ほど聴いたことがあったけど、ところどころはすごく面白いんだけど、爆笑にはつながらないというか、ちょっとごちゃごちゃっとした印象があった。
だから「あんまりこの噺は合わないのかも」と勝手に思っていたんだけど、これがすごく面白かったのだ。
噺ってどんどん変化していって前はそんなでもなかったのに面白くなったり腑に落ちるようになったりするんだなぁ。

今回は二席とも聞いたことがある噺だったんだけど、印象が違っていて新鮮だった。