りつこの読書と落語メモ

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愛のようだ

愛のようだ

愛のようだ

★★★★★

大切なものを失う悲しみを、まっすぐに描いた感動作。40歳にして免許を取得した戸倉は、友人須崎、その恋人琴美の3人で、伊勢神宮へドライブに出かけた。本当の願掛けにいくのだ。著者初の書き下ろし。最初で最後の「泣ける」恋愛小説。

とても良かった。あー好きだなあ長嶋有!と何度も噛み締めながら読んだ。

車という小さな空間の中で交わされる会話や流れる音楽。小さな空間の中で空気が変化する様子や心が小さく揺れ動く様を描くのがおそろしくうまいなぁ。それがうまいように見えないところがまたいいなぁ。

リアルなロードムービーというか車運転小説というか。
男の人のリアルが伝わってきて、なるほど!と思う。
女が思ってるほど男同士はエロ話はしないとか、お互いのSEXの体験談など語らないとか、車に女がいない時の完璧さとか、なんかわかるような気がする。

誰かを好きになる気持ち、誰かを本当に大事に思う気持ちというのは、ある瞬間に「愛のようだ」とふと感じ入るような、小さな小さなふくらみだ。をの想いを相手にぶつけて相手も自分のことを好きだと言ってくれて…そんな想いを成就できるのは本当に幸せなことなのだよなぁ。
でも成就できなくてもその気持ちがあれば。きっと人生は味わいのあるものになる。

タイトルがまたいい。いいっ!