りつこの読書と落語メモ

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秋の四重奏

秋の四重奏 (lettres)

秋の四重奏 (lettres)

★★★★

温厚かつ辛辣な作風によって、<現代のオースティン>という声価を得た英国作家の代表作

おお、なるほど。現代のオースティン。
なんていうかね。ちょっと古い感じが漂っているんだけど、それがまた独特の味わいがあって、なんかとてもいい小説だった。「文学」って感じがするんだ。なんでだろう。どこがなんだろう?

定年間近の4人の男女のなんということのない日常が描かれていて、特にものすごく劇的な出来事があるわけでも心温まる物語が繰り広げられるわけでもないんだけど、どこかおかしくてどこか悲しい。彼らの孤独がひしひしと伝わってくるんだけど、でもちょっと笑える。笑うような場面じゃないけどおかしい。楽しいはずの場面がなんだか悲しい。

なんかお葬式の最中にむしょうにおかしくて笑いたくなる、そんな感じ。老いるということは全体的にはやはり悲しくてつらくて大変なことなんだけど、でもちょっとおかしい側面もあるんだなって思わせてくれる。死さえもちょっと笑えてしまう。


実はベロニカの次に読んだ本も挫折したのだ。これはもう明らかに安っぽいにおいがぷんぷんしたので「うえー」となって挫折。でもこういうのが好きな人もいるだろうし、小説家でも評論家でもない私が、安っぽいだの二流だの言うのもなんだな、と思うので割愛。

で、これは大好きなすみ&にえさんのところでオススメしている人がいたのでチェックしていたのだ。信頼できる人のオススメにはハズレがないからね。(さすがに2冊続けて挫折本だと慎重になるのだ)
この地味なタイトルにこの地味な表紙。誰かにオススメされなかったら手に取ることはないだろうからなぁ。ほんとにネットってありがたい。