りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

週刊キッショウ #37

9/21(水)、連雀亭で行われた「週刊キッショウ#37」に行ってきた。

・語楼「つる」
・吉笑「一人相撲」
~仲入り~
・吉笑「粗粗茶」
・吉笑「井戸の茶碗

語楼さん「つる」
初めて見る前座さん。談四楼師匠のお弟子さんらしい。ちょっと大泉洋さんに雰囲気が似てる。
明るくてきびきびした高座。「つる」をこれだけ面白くできるってすごいわ。面白かった!

吉笑さん「一人相撲」
前にあがった語楼さんの落語を「ちゃんとしてますね。立川流の前座にしたら珍しく」。
最近前座さんを集めて「落研」を作り、落語家としての基本的なスペックの底上げをはかろうとしている吉笑さん。
ほんとにえらいなぁと思う。前向きなんだよなぁ。
もしかするとまわりの人から煙たがられたりすることもあるかもしれないけど気にしないで頑張ってほしいなぁ、と思う。

語楼さんについて「落語を聞くまでは”イタイヤツ”だと思ってたけど、落語を聞いてみる目が変わった」と言う吉笑さん。
なぜ”イタイ”と思っていたかというのを詳しく話していたけれど、確かにメールの返信ってどこの世界でも大事なポイントだよな、と感じる。
いやしかしいろいろ気を使わないといけなくて大変だね、落語家さんって。ほんと。

でも私はこの人のこういう率直なところ、好きなんだよなぁ。
バランス感覚があるから無駄に体当たりして疲弊せずに泳いでいけるところがあるように感じる。
いやもちろん疲れることもあるだろうけど。
優等生のできすぎくんじゃないところも好きだな。

長いまくらから「一人相撲」。初めて聴く噺。
相撲が好きな旦那が奉公人の手前今回は江戸に相撲見物に行くのを我慢したんだけどどうにも気になって気もそぞろ。そんな旦那に番頭が、実はそんなこともあろうかと思って、奉公人たちを江戸へ派遣している、という。
飲まず食わずで走って江戸へ相撲見物してきた奉公人が旦那に自分が見てきた相撲を物語る、という内容。

行司の立ち位置が真ん中じゃなかったというのを戻ってきた奉公人が全員言う、っていうのがすごく面白い。
こういう独自の細かいこだわりがすごくツボでおかしくてしょうがない。

20日後に帰ってきてまくらもうまい奉公人が、行司のことしか見てなかった、というのもおかしくて、笑いっぱなしだった。


吉笑さん「粗粗茶」
これも初めてきく噺。私の好きな「舌打たず」にも似た、わけのわからない「こだわり」が「常識」であるとして押し通す噺。
好きだわー。このわけがわからないけど理屈が通っているような変な世界観。ツボだわー。もうおかしくておかしくて。大好き。


吉笑さん「井戸の茶碗
三席目でまさかの「井戸の茶碗」!
いやここまでで結構時間も押してたし、吉笑三=新作というイメージもあるのでかなりびっくり。
そして古典なのに、そしてそんなに大きく変えているわけじゃなのに、全然古典らしくない。
時間が押していたこともあったんだけど吉笑さんが頭をフル回転させてこの噺をどうにか刈り込もうとしていたのが見ていてすごく面白かったー。