りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん助ドッポ

8/18(日)、お江戸両国亭で行われた「さん助ドッポ」に行ってきた。

・さん助 ご挨拶
・さん助 初代談洲楼燕枝の述「西海屋騒動」第三十回「最後の最後の情婦」
・さん助「青菜」
~仲入り~
・さん助「大山詣り

 

さん助師匠 ご挨拶
この日はなんと柳蔭のサービスがあり、また鈴本の下席にみんな来てねと意味をこめての「うなんぷらりー」(鈴本でUnaさんを見つけたらスタンプを押してもらえてスタンプが4つたまったら粗品のプレゼント!)のお知らせもあり、と盛りだくさん。

それから一門会で福岡に行ったときの話。
「私帰るのを2日遅らせまして数少ない私の友人と会ったんです、何年かぶりに。それでその友人が”お前にものすごくうまい串焼きを食わせてやる”と言ってくれまして。なんでもその店、中心街から1時間ほど離れた場所にあって、とても頑固なおじいさんがやっている店なんだけど、とにかく串焼きの常識を覆すうまさんなんだと。基本的にはうすーい豚肉で野菜などを巻いて揚げるらしいんですが、そんなにうまいの?と期待が高まりまして…」。

行ってみると店主は70歳ぐらいの元気なおじいさん。ここの店メニューが置いてないし値段も書いてなくて、店主がその日のオススメのものを勝手に次々出してくる。店主がおしまいと思うまで次々出されたものを食べる、というシステム。
そしてどれもこだわりの食材で「この豚はどこどこの豚でどうしたこうした」「これはどこどこ農場と直接契約していてその日にとれたものを使ってる」などなど。
で、確かにうまい。今まで食べたことがないようなうまさ。
でも私だんだん心配になってきちゃいまして…。というのは私その店に行く前に「今日は俺がおごるよ!」と見栄はっちゃったんです。
現金で3万円おろしてきてたんですけど、どれもこれもこだわりの食材、生ビールなんかもかなり飲んでしまっている、そしてとてもカードなんかは使えそうにない。
これはことによると足りないのでは…そう思うと気が気でない。
結局会計をしてみたら二人で1万円ちょっと。店主が私に向かって言いました。「そんなにびくついちゃいけねぇよ」。
…見透かされていたんですね…。

…ぶわはははは。おかしい!!
会計が心配で挙動不審になるさん助師匠が目に浮かぶ。

さん助師匠 初代談洲楼燕枝の述「西海屋騒動」第三十回「最後の最後の情婦」
なぜ「最後の最後の情婦」かというと、第27回をやったときに、もうさすがに義松もこれで女は作らないだろうと思って「最後の情婦」とタイトルを付けたんですが、ここにきてまさかの…また女を作りました。それで仕方なく「最後の最後の情婦」です。
「西海屋騒動」残りわずかなんですがさらに女を作ると「最後の最後の最後の」になります。

三蔵の口利きがあったおかげで清水の次郎長の子分になった義松。
しかししばらくは特に何もすることがないというので、水口の方に行って賭場に出入りをしたり遊郭に行ったりして遊ぶ毎日。
水口に阿部四郎治という御家人がいて一刀流の達人だった。水口で遊ぶうちに阿部と懇意になった義松は阿部の家に招かれるようになった。
阿部の女房が元は遊女のお関。たいそうな器量よしで色気がある。
お関も江戸の出身ということで3人で江戸の話をしたりして楽しい時を過ごしていたのだが、そのうちお関が義松に色目を使うようになる。
義松はすぐにお席の気持ちに気が付いたが、さすがに阿部の女房に手を出すのは…としばらくは抑えていたのだが、そのうち二人は深い仲になる。

ある時、お関が芝居見物に行って留守だといって呼び出された義松。何事かと思っていると、「情報筋から聞いたところによると徳川家はもうだめらしい。官軍が勝つというもっぱらの評判だ」という阿部。
そこで自分はここで追剥になり駿河中の金を残らず集めその金を持って官軍に寝返ろうと思う。
自分と一緒に追いはぎをやらないか、という相談であった。

それを聞いた義松はすぐにその話に飛びつく。
そして隙があらば阿部の寝首を掻いてしまおうと考える。

駿河の国には土井正作という豪農がいて、二人は土井を襲い千両奪おうと計画を立てる。
夜中土井の屋敷に忍び込むとすぐにその物音に気付いた正作。臆することなく追いはぎ二人を屋敷に入れ、黒装束で顔を隠している阿部に向かって「お前は阿部四郎治だろう」と言い当てる。
肝の据わった土井に逆に気圧されてしまった二人。
いったいこのあとどうなるのか…。

…おいおい。
なんか前回急に清水の次郎長が出てきてそこで今までの悪事を払うだのなんだのきれいごとを言っていたと思ったらもう追いはぎかい?
で、大きなことを言ったわりにじじいに気圧されちゃう阿部もいったいなんなんだ。
そしてこの間は糞尿にまみれいたくせにまた元遊女に色目を使われちゃう義松。
なんだよー。

さん助師匠「青菜」
おおお、さん助師匠の「青菜」久しぶり。前に鈴本で聞いたことがあったっきりだった。
さん助師匠の「青菜」は旦那がちょっと変(笑)。鷹揚で慈愛に満ちているけどどこか少し変人っぽさを醸し出しているところがおかしい。
植木屋さんの酒の飲みっぷりがいいねぇ~。そして鯉もおいしそう!おいしそうなんだけど食べ方が激しいのが面白い。
帰ってからの女房とのやりとりは完全に女房にやられちゃってるのがおかしい。
「お前、やなぎかげって知ってるか?」
「知ってるよ、直しだろ」
「鯉のあらいって言ってもシャボンで洗ったわけじゃねぇんだぞ」
「知ってるよ、刺身だろ」
「おまえ…何でも知ってるんだな」
声をかけられてあがってくる半ちゃんが「大阪の友人?お前に友人なんかいたの?」にも笑うけど「菜はきれぇだよ!」ときっぱり言うのもおかしい。
押し入れから飛び出してくる女房もド迫力で笑ったー。

さん助師匠「大山詣り
この間、燕弥師匠との会で聞いているけど、あの時と結構内容が変わっていた。
「喧嘩したら髷を落とそう」と言い出すのがなんとくまさん。
確かにそれだとやられた二人が先達さんになだめられても納得しなかった理由もわかる。
あとやっぱりくまさんは髷を落とされたことよりも置いて行かれたことに怒ったんだな、と思う。
坊主になったくまを見つけた女中がすごくおかしかった。

あー楽しかった。
いよいよ8/21(水)から鈴本演芸場のトリが始まる。ドキドキー!