文豪お墓まいり記
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終戦の前日、永井荷風と谷崎潤一郎がすき焼きを食べた。
あの文豪を、もうちょっと知りたい。
二十六人の作家と出会う、お散歩エッセイ!永井荷風(先輩作家)と谷崎潤一郎(後輩作家)は七歳差です。
谷崎はデビューしたとき、先輩作家である荷風から自分の小説を褒めてもらえたことが嬉しくてたまりませんでした。
一九四五年八月十四日、二人は疎開先の岡山で再会します。終戦の前日に、谷崎は牛肉を手に入れ、すき焼きでもてなします。
……このように、文豪たちは互いに関わりながら生きていました。今は、お墓の中にいます。時代が違うので、実際には関われませんが、お墓には行けます。現代の作家が、昔の作家に会いにいきます。二十六人の文豪たち――中島敦、永井荷風、織田作之助、澁澤龍彦、金子光晴、谷崎潤一郎、太宰治、色川武大、三好十郎、幸田文、歌川国芳、武田百合子、堀辰雄、星新一、幸田露伴、遠藤周作、夏目漱石、林芙美子、獅子文六、国木田独歩、森茉莉、有吉佐和子、芥川龍之介、内田百閒、高見順、深沢七郎。
ナオコーラさんが26人の文豪の墓を参る。彼らの生涯と作品に思いを馳せ作家としてのあり方を考えながら、お墓を掃除しお花を飾りお線香をあげる。
墓参りの前や後にはその近くでご飯を食べる。一緒に行った夫や母、編集者な作家仲間と話をする。
文豪、作品、そして日々の暮らしが地続きなのが、とても楽しい。
小説への向き合い方も興味深かった。
そして昨年読んだ「文豪たちの友情」もそうだけど、読んでいるとここに出てくる作家の作品を読みたくなる。面白かった。