りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第24回林家しん平親子会

12/14(金)、東田端ふれあい館で行われた「第24回林家しん平親子会」に行ってきた。

・きなこ「孝行糖」
・しん平「時そば
・あんこ「佐々木政談」
~仲入り~
・しん平「芝浜」


しん平師匠「時そば
ラーメンについてのまくらが死ぬほどおかしかった。
昔はラーメンって今みたいな食べ物じゃなかったよね。「シナソバ」って言って黄色い縮れた麺に鶏ガラに醤油味のスープでペラペラのチャーシューとナルトが入ってて…あれを夜中に屋台で食べてると「俺、こんな時間にこんな悪いもん食ってる」っていう背徳感があって…あれが楽しかったんだよね。
それが今はラーメン作るのに魂こめちゃってるもんね。魂こめて作るようなもんじゃないでしょ。ラーメンなんて。もはやあれは違う食べ物だよね。
とんこつラーメンも最初に出てきた頃は獣臭くてね。今は製法も洗練されてきたけどね。あれ、豚の骨髄を溶かしてるんだよね。骨髄を溶かすって…豚の側から見たらとんでもねぇ食いものだよ。俺が豚だったら震え上がるよね。がはははは!!な?オレ詳しいだろ?痛風になってラーメン食べられなくなったけど、テレビのラーメン特集とかめちゃくちゃ見てるから、詳しいのよ。

今はなんでも食べ物がやわらかくなっちゃったね。それもこれもなめらかプリンのせいだね。みんなあのなめらかプリンがいけないね。
昔のプリンはさ、固かったよね。だからプリン型からなかなか出てこなかったよね。こうひっくり返してポン!なんて叩いてもさ、出てこないのよ。固くて。
今のプリンなんかそんなことしたらぐずぐずぐず~ってなっちゃうからね。やわらかすぎて。だめだよ、あれじゃ。すっごくうまいけどね。なんだ好きなんじゃねぇかなめらかプリンも。がははは!!!
あとプッチンプリン。あれはプリンじゃないね。別の食べ物。それでなんか入ってるねイケナイ物が。だから1つ食べるとまた食べたくなっちゃう。白い粉とか入れてんじゃないの?…関係者がもしいたら…怒んないでね!
せんべいもさ、昔は噛みきれないほど固いせんべいだったよね。5分くちゃくちゃやっててもまだ噛みきれなくてね。あれをかじり切った時の快感ね。「俺の歯、まだまだいけるぜ!」っていう。
今の若い子なんかもう固いもんを食ってないからあんなせんべいは噛みきれないね。

…あれこれ言った後に豪快に笑うのがもうおかしくておかしくて。大好き。
そんなまくらから「時そば」。
2番目の男のとほほ加減がすごくばかばかしくておかしい。笑った笑った。


しん平師匠「芝浜」
こちらの会で前に一度やったことがあったらしいんだけど、リクエストが多いので…ということで「芝浜」。しかもその時とはやり方を変えて…ということらしい。

最初にくまさんが酒でどんどんぐずぐずになってお客さんからも呆れられて出入り禁止になって仕事に行きたがらないところがとてもリアル。
女房に起こされて嫌々でかけるんだけどそれも「ああーやだ…ほんとに嫌だ、魚屋なんて商売」と愚痴たらたら。
それでも女房が起こす時間を間違えたせいで日の出を目にすると「ああ、ありがてぇ…。こんなものを見られるなんて…。ありがてぇなぁ」。
なんかこのくまさんの人物像がとても魅力的。

財布を拾って大はしゃぎするくまさんに調子を合わせるおかみさん。
「夢」と言い張ってくまさんをだますところでは全く迷いを見せないところが気持ちいい。
最初は「そんなわけねぇだろ」と言っていたくまさんだけど、財布を拾ったのが夢で友だちを呼んで散在したのが現実と分かると、おかみさんに頭を下げて「今回の事はなんとかしてくれ。そのかわり、これからは酒をやめて本気で働くから」。
あんなにぐずぐず言ってたのに、覚悟を決めた様子が気持ちいい。

3年経って、大みそかに借金が一つもないと聞いて、心から驚いておかみさんに礼を言うくまさん。
財布のことが夢ではなかったと聞いて「あの時俺がどんなに惨めな気持ちになったか」と恨み言を言いかけるのだけれど、おかみさんから理由を聞いて、「お前のおかげだ」「お前はすげぇよ。ほんとにかかあ大明神だよ」と頭を下げるのが、さっぱりしたくまさんの性格が表れていてとっても素敵だ。

…じめじめしたところが全然ない、気持ちのいい「芝浜」だったー。よかったーー。