りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

林家しん平親子会

6/22(金)、東田端ふれあい館で行われた「林家しん平親子会」に行ってきた。
寄席で見ていて大好きな師匠。もっとたっぷり見たい!と思っていたらこんな会を見つけたので行ってみた。
地元に根付いている会のようで会場は常連さんと思われる人たちでいっぱい。

 

・きなこ「寿限無
・あんこ「牛ほめ」
・しん平「短命」
~仲入り~
・あんこ「宮戸川(上)」
・しん平「ちりとてちん


きなこさん「寿限無
とてもきれいな女性でまくらも落ち着いていて聞きやすい。
あれ?こんな前座さんいたっけ?と思ったら、協会には所属してないらしい。ほー。
寿限無」もちょっと新作っぽいところもあって、へーーなんかすごーい!と思ったんだけど、後から出てきたあんこさんによれば、あれが師匠に教わったそのままの形なのだとか。あんこさんも前座時代師匠から教わった噺をやると、前座の先輩から「お前、そんなに変えて大丈夫か」みたいに注意されることがあったらしい。自分で余計なクスグリ入れたわけじゃなく、それが教わったままの形だったんです、と。


しん平師匠「短命」
今日は昼間もお寺で親子会をやってきたというしん平師匠。
お客さんに来ていただこうと思っていろいろ頑張りました。SNSで宣伝したり、ポスティングっていうんですか、チラシをこのあたりの家のポストに直接入れに行ったりね。
こういうのは普通弟子にやらせるもんですけど、あたしのところは弟子が女性しかいないんでね、男もいたんですがやめちゃったりしていつの間にかいなくなっちゃってるからね。自分でやるしかない。
このあたりの家は大きな家が多くて、そういう家ってポストがエントランスっていうんですか、そこを入って行かないとないんですね。
だからまずそこで迷うよね。入ってもいいものかどうか。アメリカだったら間違いなく銃で撃たれるね。

またこのポストが大きな家に限って形状が複雑でどうやって開けたらいいか難しいんだね。
私はもう今回まわって、あらゆるポストの形状、入れ方を熟知したけどね。
なんかこうこっちをこう開いてこちら側にぐいっと入れなきゃいけないみたいのもあってね、ぼやぼやしてると手をばちーーん!なんて挟まれたりして。あぶねぇのなんの。

…ぶわははは!
いやもうほんとにまくらもめちゃくちゃ面白い。
ポストに入れるっていうだけの話がひっくり返るほどおもしろいってすごい。

そんなまくらから「短命」。
ちょいちょいいろんなところが変えてある「短命」。
一人目の旦那と食べるのは、芝居に行った時に買った助六寿司。旦那がこれを食べさせてもらうんだけど、あーんってやったときに指が口にちょっと当たったりする…このちょっとエロっぽいところがしん平師匠風味?(笑)
二番目の旦那が食べるのはそうめん。この描写が微に入り細に入りで、確かにはっつぁんじゃなくても「それがどうして短命になるんだ?!」となるのがたまらなくおかしい。遠まわしすぎるよ(笑)!
三番目の旦那になってようやく通常のご飯をよそってもらうバージョン。

察しがつかないはっつぁんに隠居がキレると「そんなに怒らなくても。おれ、たいしたこと聞いてねぇよ。それがなんで短命なんですか?って簡単な質問だよ」と言うのがすごくおかしい。

家に帰ってからのやりとりも、想像していた通りおかみさんが大声の恐妻キャラ。
茶碗を投げる様子も男らしくて大笑い。

いやぁー「短命」がこんなに面白いって。すごいわ、しん平師匠。


しん平師匠「ちりとてちん
珍味って言うのがありますね、と。
くさや、あれもおいしいけど大変くさい。
この間、あんこと仕事で大島に行った時。あんこが親父(時蔵師匠)にくさやをみやげに買って帰りたいって言うから、それなら土産物屋で買うより地元のスーパーで買った方がいいよ、とアドバイス
で、行ってみたらやっぱりあるんだよ。地元の人が食べてるやつが。
これがこーんな大きなあじのくさや。ほらーやっぱりこういうのがあるだろ、これがうまいんだよ、なんて言って手に取ったら…冷蔵品をラップに包んであるもんだから、驚くほどくさい!どんなにおいかっていったら、うん〇をラップに包んであるみたいなにおい!
あんこも「私これを持って飛行機には乗れません…」。
結局、くさやをほぐして冷凍してあるやつを買って帰ってたけど、これがすごくうまかったらしいよ。それでおやじが仕事一つくれたらしい。

そんなまくらから「ちりとてちん」。
お世辞のうまい善さんのお世辞が激しすぎて旦那がかなり早い段階で「うるさいよ、お前」「もういいよ」とうんざりするのがおかしい。
一方、なんにでも文句をつける方の男が、さんざんくさした後に食べてすごくおいしそうな顔をするおかしさ。
お酒も「灘の生一本なんて全部まがいもの」と言っておちょこの後ろの方を差し出してたのが次は表に返し、その次は湯呑。

ちりとてちんは台湾じゃなくてタイ製。めちゃくちゃ辛そうだった!

いやぁ楽しかった。笑いすぎて帰りはちょっと虚脱状態になってた。