りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

こはぜのたび

11/18(土)、御茶ノ水・素音洞で行われた「こはぜのたび」に行ってきた。


・小はぜ「狸鯉」
・小はぜ「浮世床(通し)」
~仲入り~
・小はぜ「妾馬」


小はぜさん「狸鯉」
満員のお客さんにうれしそうな小はぜさん。
喜びを表しながらも「でもたくさん入らなくても…お客さんが少なくても…一名でもいいです。向かい合って顔を見ながらやりますから」と付け加えずにはいられない小はぜさんが素敵。

ここへ来る前、チラシを入れに落語協会に行ってきた、という小はぜさん。
10時すぎだったんだけど黒門亭に並んでいるお客さんがすでに5名ほどいらした。黒門亭には必ずくる男性が何名かいて…それ以外の方も並んでいて、そのうちの一人が「あら、小はぜさん」と話しかけて来てくれた。
「ずっと応援してるんですよ」と言って下さったけど…。
そう言って会場を見まわして「まだいらしてないみたいですね。応援してくださってるんだったら黒門亭じゃなくてこちらの会ですよね!」。

…ぶわははは。
小はぜさんらしからぬ言葉に思わず吹きだしたよ。

そんなまくらから「狸鯉」。
鯉に化けた狸を兄貴分のところに持って行き、「すぐには食べないだろうからその隙に逃げちゃいな」と言っていたのに「いますぐ調理して食べる」と兄貴に言われて動揺を隠せない男。
「え?だってかわいそう…」「世話になったのに」「なんか…悪かったなぁ」
前に聞いた時より狸に思いやりを見せるのがおかしかった~。


小はぜさん「浮世床(通し)」
小はぜさんが「浮世床」ってなんか少し意外~。あ、でも小はぜさんのことだから通しでやるのかも!と思っていたらやっぱり…。

将棋、本、かくし芸、夢とやったけど、夢がよかったなー。なんかかわいいんだよな、小はぜさんが女にでれでれするところがとっても。
あとで「私みたいな前座からニツ目になってまだ1年なんていう者が、おいしいところだけやるのはまだ早いと思うから、通しでやりたい」と言ったのが、とても小はぜさんらしくて素敵だなぁと思った。
二ツ目になって覚えた噺が幾つで上がってない噺があと幾つ…。来年からまた自分がどんな噺をやりたいと思って覚えていくのかが楽しみ、なんてことをおっしゃっていたけど、ほんとにこれから先小はぜさんがどんな噺家さんになっていくのか、楽しみだなぁ。

小はぜさん「妾馬」
黒紋付きで出てこられたので、「妾馬」かなと思ったやはりそうだった。

鶴川で聞いた時よりもまたよくなっていて、すばらしい。
何も足したりしていないし、どちらかというと抑え気味にやられているのに、兄心が伝わってきて、じーん…。
ぞんざいな口をきいても、もともとに品があるから悪い感じが全くしない。

お殿様も品があって鷹揚な感じが伝わってくるし、なんかすごいなぁ…これがまだ二ツ目になって1年目なんだから。

この噺はとても小はぜさんに合ってると思った。すばらしかった。