りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭2月上席夜の部

2/2(木)末廣亭2月上席夜の部に行って来た。
ちょうど入った時、小菊さんがあがっていたんだけど、お客さんが少数精鋭(!)の時は普段やらない曲をどんどんやってくれる小菊さん。丸の内線で一目ぼれする曲とかもう素敵!
後ろに控えていた末廣亭のおねえさんが身を乗り出して聞いているのが印象的だった。
 
・菊丸「ふぐ鍋」
・小里ん「碁泥」
~仲入り~
・きく麿「首領が行く!」
・二楽 紙切り
・扇好「寄合酒」
・ひな太郎「紙入れ」
・翁家社中 太神楽
・小袁治「三年目」
 
菊丸師匠「ふぐ鍋」
楽しい!菊丸師匠の「ふぐ鍋」大好き。
猫にまでお世辞を言っちゃう一八がたまらない。
そして旦那と一八でふぐを嫌がっていたのに一口食べてぱららら~んとなるところ、何回見てもごっくん!ってなる。
途中で「お客さんが静かだからって何もそんなにやけくそになってやるこたぁない」と言ったのがおかしかった~。
 
小里ん師匠「碁泥」
碁将棋に凝ると親の死に目に会えない…と始まったので、「笠碁」かと思ったら違う展開。
うわーー。知らない噺だ。うれしいー。
いつものように旦那同士で碁を始めようとすると「奥さんから碁を禁止されちゃった」。
なんで?おかしいじゃないかともう一人が詰め寄ると、なんでも二人で碁に夢中になるあまり、煙草を畳に落としてしまっているらしく、畳が焼け焦げだらけ。このままじゃ火事になっちゃう、と言われたらしい。
だったら碁を打つ間は煙草はやらず、一番終わったら煙草、としましょう、とお客。
それはいい考えだということで始めるのだけれど、夢中になって打っていると煙草がすいたくなって…。
 
もうこの碁を打つ二人が夢中になっていくさまがおかしくて、すごく楽しい。
泥棒が入って来ても気付かないし、泥棒も荷物を背負っているのに碁をやっているのを見ると口を出さずにいられなくて、「あれ知らない人だ」と気づいても碁をやめられない二人がまたおかしくて。
楽しかったー。
小里ん師匠には謝楽祭の時に冷たくされて(笑)ちょっと嫌いになったけど落語が素晴らしいからやっぱり好き。
 
きく麿師匠「首領が行く!」
わーい、きく麿師匠!
きく麿師匠の出身地北九州ではやくざを多く産出しているというまくらから「首領が行く!」。
先生が生徒たちに映画を見てきましたかーと聞いて、最初の生徒が答える「愛と青春の旅立ち」と「カリブ海のシンフォニー」の感想が大好き。
ぶちゅーとキスするところだけが面白かったって…。神田正輝がって…。ぶわははは!
 
そして激しく任侠化された吉田くんと武井くん。
ものすごくなりきっているのにちょいちょい小学生らしいところがおかしい。
なんか久しぶりに聞いたから思わぬところでぐわはっと笑ってむせてしまった。
おとなしめのお客さんたちからも笑い声が聞こえてきて、なぜか私が「えへん!」と鼻の穴をふくらませちゃった。
 
小袁治師匠「三年目」
昔は頼まれて結婚式の司会をやった、と小袁治師匠。
身内の立場でやるから結構評判がよかった。気に入ってくれて2回目もお願いされたことがある。
その人は外人の奥さんをもらうのが夢で一回目は金髪の女性と結婚したのだが3か月で破局。なんでかと聞いたら、外人は結婚してからも「愛してるか」「私がきれいだと思うか」と聞いてくる。これが一生続くのかと思ったら無理だと思った、と。
 
自分をひいきにしてくれてる旦那がいて、その人はゴルフに誘ってくれたりおいしいものをごちそうしてくれたり。
家に遊びに行くとおかみさんが元気印のかたまりみたいな人。
そのおかみさんが言っていたんだけど、普段は何もしないその旦那が、彼女が風邪で寝込んだ時、峠の釜めしの釜でおいしいおかゆを作ってくれた。
優しい言葉一つかけてくれるわけじゃないけれど、自分が苦しい時にそういうことをしてくれたのは本当にありがたかった、と。
 
そんなまくらから「三年目」。

この噺、そんなによく聞く噺じゃないけど、結構好き。なんかとっても落語的だから。

小袁治師匠の「三年目」は怪談っぽい雰囲気はあまりなくて軽くて楽しい。
まくらもきいていて良かった。