りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

こしらの集い

・こしら「紙入れ」
・こしら「禁酒番屋
・こしら「長屋の花見

ほんとは浅草でそのまま夜の部も居続けようかと思っていたんだけど、トリの一朝師匠がお休み!しかも苦手な色物さんや噺家さんの名があったので、はん治師匠まで見て寄席を飛び出し、お江戸日本橋亭で行われている「こしらの集い」へ。

こしら師匠は一度も見たことがないんだけど、広瀬さんたちとやっているpodcastはいつも楽しみに聞いていて、なんか自由で面白い人だなぁーと俄然興味が沸いていたので、初めて見に行ってみた。

「紙入れ」
大阪で行われるとあるゲームイベントのゲストに呼ばれました、というこしら師匠。
そのゲームの説明をするんだけど、これがもう面白い面白い。
最初は1席だけだろうと思って、そのゲームにまつわる「あるあるネタ」でも軽く披露すればいいだろうと思っていたら、なんと持ち時間がたっぷり2時間。しかも100人ぐらいのホールと聞いて、ばかじゃねぇの?そんなに集まるわけねぇじゃんと思っていたら、なんともう8割ぐらい予約が入っているらしい。
それに気を良くしたのか、別の地方で行われる同じイベントのゲストも決定した。
このゲームを作ったのがあのGoogle。イベントが成功したら自分はもしかするとGoogleお抱えの噺家になれるかもしれない!

そんなまくらから「紙入れ」。
世話になっている旦那にばれたら取り返しがつかないことになるから、とおかみさんの誘いを断る新吉。
そんな新吉をなだめたり脅したりして誘うおかみさん。
「いやでもまずいんで。旦那には世話になっているし」。
そういう新吉におかみさんが「実は○○(女の子の名前)を呼んであるんだよ」と言うと、「え?3人?ほんとっすか?俺、夢だったんですよ」。

ぶわははは。酷いけど面白い。
その後、旦那にばれてるんじゃないかと新吉が家を訪ねてきて、おかみさんが「心配ないよ」と喋るのが、思い切り実名入りで「具体的すぎるし!」「名前言っちゃってるし!」と慌てる新吉が面白い。

禁酒番屋
これも途中から展開が違うのだが、それがすごく面白い。
自分にやらせてください!と熱心な店の若い衆の目的があとから明らかになったり、いろいろ意外な展開が待っていて楽しい。

長屋の花見
大家さんに呼ばれて集まってきた長屋の連中。
大家さんが酒も肴も用意してくれたと聞いて、それじゃ申し訳ないですから一分だけ出させてくださいという男がいて、それに対して大家が激怒。
「お前さん、いったい何を考えてるんだ。私の気持ちをまったくわかってない。不愉快だ。出て行ってもらおう!」
それを聞いて「え?意外と暮らしにくいな、この長屋」には笑った。なんかたまらないセンス。 また与太郎のおかあさんに大家が色気を見せるのもおかしい。

改作って、なんかもとの噺の方が面白いのに、と思うことも結構あるんだけど、こしら師匠の改作はとっても好み。
まくらも楽しいし、癖になる面白さ。