りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

おっす!キテレツ!(第二回)

9/22(月)、神楽坂Art salon香音里で行われた「おっす!キテレツ!(第二回)」に行ってきた。
毎月楽しみな鯉八さんの勉強会。毎回ネタおろしをするというルール(?)だったんだけど、「第二回にして厳しくなってきました」とおっしゃる鯉八さん。
そうだよなぁ。新作を毎月1作ずつ作るって相当大変そうだよなぁ…。できない月もあるだろうし。

・瀧川鯉八「俺ほめ」
・神田松之丞「トメ」
・瀧川鯉八「猪おっさん」

鯉八さん「俺ほめ」
前回ネタおろしをした「俺ほめ」は、ここでやったときはお客さんの反応も良くて「これはイケる」という感触を得たんだけど、その後他の落語会でかけてみるとイマイチの反応で…どんどん右肩下がりに悪くなっています…。
そんなまくらからの「俺ほめ」。
確かに何回か続けて聞いていると次の展開がわかるから笑いが少なくなるっていうのはあるんだよなー。ただそんなことを言ったら落語なんてほんとに同じ噺をいろんな演者で何回も何回も聞くわけだから…それでも毎回笑ってしまう「古典」っていうのはほんとに凄いんだなぁと思う。
私の場合は、ストーリー重視の噺は何回か聞いているとちょっと飽きてしまうんだけど、バカバカしい噺は何回聞いてもおかしくて笑ってしまうっていうのがあって、新作でもストーリーを追いかける壮大な噺よりも、会話が中心のバカバカしい噺が好きなのだった。
だから「俺ほめ」は大好き。80になっても同じ形で「俺ほめ」やってると思います、という鯉八さん。そう言いながらちょっとずつ変えていくような気がする。それも楽しみ。

松之丞さん「トメ」
前回ゲストの夢吉さんにこの会の様子を聞いたら、「思っていたより10倍やりやすい雰囲気だった」ということを、私がいうより100倍ぐらい感じよく言ってました、と。わはははは。
そして鯉八さんのことをずっと見ていたけれど、この会を始めて鯉八さんは変わったな、と思いました。
それまでの鯉八さんはまるで左甚五郎のようなスタンス。
「どうか(新作を)作ってください」
「わしの気が向いたらな」
そんなスタンスだったけど、この会では毎月1作新作を発表するってことは、今までの左甚五郎スタイルからの脱皮ということ。共産主義から資本主義へ変わったのです!と。
そのたとえ、よくわからなかった(笑)けど、面白い。松之丞さんって本当に面白いなぁ。

そしてこれは鯉八さんのリクエストだったのでやりますと新作講談「トメ」。
これがもうめっちゃくちゃ面白い。
眠れないおじいさんが奥さんのトメさんを起こしてグダグダ話をする。わしにとってお前は100点満点の奥さんだったよとあらかじめ言っておいたあとに「ところでわしは何点ぐらいかな」と言うとトメさんの答えが結構低い。
えええ?俺は100点って言ったのに?なんで?
点数を気にするおじいさんは、トメさんとあれこれ話しながら、点数が上がったかどうかを確認。
とにかくバカバカしくて面白くて大笑いだった。すごいなぁ、松之丞さんって。こんな講談初めて。

鯉八さん「猪おっさん」
この日の午後にようやくできたというホヤホヤの新作。
さすがに言いよどむところなんかもあったけど、これ面白い!
噛み合わない会話と、密かに進行するもうひとつのストーリーっていうのがじわじわくる。
来月この噺がどう変わっているか(変わってないか?)楽しみだー。

この会は平日の19時30分開演で、前もってかなり先までスケジュールが出ているので、とっても行きやすい。