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〈大きな悲しみが、私を守ってくれる〉
『ショウコの微笑』『わたしに無害なひと』の気鋭のベストセラー作家、初の長編小説
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夫の不倫で結婚生活に終止符を打ち、ソウルでの暮らしを清算した私は、九歳の夏休みに祖母と楽しい日々を過ごした思い出の地ヒリョンに向かう。
絶縁状態にあった祖母と二十二年ぶりに思いがけなく再会を果たすと、それまで知ることのなかった家族の歴史が明らかになる……。家父長制に翻弄されながらも植民地支配や戦争という動乱の時代を生き抜いた曾祖母や祖母、そして母、私へとつながる、温かく強靱な女性たちの百年の物語。
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日が昇る前に大切なあの人に伝えておきたいことがあった。
明るくなったら、言えなくなりそうだから……。2021年〈書店員が選ぶ“今年の小説”〉、第29回大山文学賞受賞
夫の浮気で離婚したジヨンが移り住んだヒリョンで疎遠になっていた祖母と再会し、祖母から曾祖母、祖母、母へと続く百年の物語を聞き、自分の傷とも向き合う。
静かな語り口だが語られる物語は壮絶で差別と暴力、理不尽に満ちている。
出自による差別、男尊女卑、暴力、そして戦争。
そんな過酷な現実の中で、支え合い思い合い必死に生き抜いた人たちの強さと優しさに何度も涙した。
孫娘と距離感を保ちながらも温かいまなざしを向ける祖母も、娘とは絶縁状態で、深い傷を抱えている。
そんな祖母には心を許して自分の気持ちを打ち明けられるようになった主人公も、母とは分かり合えずすぐに傷つけあってしまう。
母と娘の難しさよ…と痛い気持ち。なぜ分かり合えないんだろう。与えてもらった愛情より与えられなかった愛情への恨みの気持ちが勝ってしまうのはなぜなんだろう。
母親と自分自身を許すことはこんなにも難しい…。決定的な言葉を投げつけてしまうのは愛されたい、許されたい一心なのだ。
初めて読む作家さんかと思ったら翻訳されてる本は既に全部読んでいた。こんなポンコツ感想でも書いておくと後で見直せるのは助かる。
号泣本なので外では読めない。素晴らしかった。
