月の部屋で会いましょう
- 作者: レイ・ヴクサヴィッチ,庄野ナホコ,岸本佐知子,市田泉
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2014/07/14
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (17件) を見る
肌が宇宙服になってしまう奇病? 恋人の手編みのセーターの中で迷子になる男? 誰もが金魚鉢を抱えていなければいけない星への休暇旅行?? とびきり奇妙な33編の短編集!
「僕らが天王星に着くころ」
身体が徐々に宇宙服に変化して宇宙に飛び出していってしまうなんて、とんだ奇想なのだが、描かれるのがすれ違う恋人たちの会話だったり大切な人を失う切なさだったりするので、妙に身につまされて、しんみりしてしまう。
こういう物語、好きだ。
「最終果実」
広場に現れた怪物は、一夜のうちに実をつけていた。
町の厄介者のサムは、自分が忘れていてその後の人生に関係のある何かが、この怪物と果実に関係があるんじゃないかと考え、自ら怪物にしがみつき…。
おぞましい話なのにどこかロマンティックなのが面白い。
「排便」
タイトルも凄いが中身も凄い…。
「ささやき」
そうだ、この作品を「変愛小説集」で読んで、ものすごい印象に残っていたのだ。
いびきがひどいと言って恋人に捨てられた男が、そんなわけじゃない!と証拠をとるために自分の寝室にテープデッキを置いて録音をしてみると、覚えのない男女のヒソヒソ声が録れていて…。
インパクトあるよなぁ…。でもこういう作品ばかりじゃないんだな。
「月の部屋で会いましょう」
最後に収められているのが表題作。
とてつもなくグロテスクな話もあるが(「家庭療法」!!)、どれもからっとおかしくて時々切なくて、よかった。