りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

〜通好み〜鯉昇ひとり会

10/4(金)、日本橋社会教育会館で行われた「〜通好み〜鯉昇ひとり会」に行ってきたのである。
二日続けての鯉昇師匠。しかも前日は3列目、この日は最前列。お前はストーカーか?というほどの追っかけぶり。 そ、そんなつもりはなかったんだよう。もともとこの会をかなり前に申し込んでいて、それから結構直前になって「鯉昇・兼好二人会」があることを知って、これは行かなきゃ!と申し込んで、結果二日連続になってしまった、という…。

・瀧川鯉○「松竹梅」
・柳亭市楽「唖の釣り」
瀧川鯉昇「味噌蔵」
〜仲入り〜
瀧川鯉昇粗忽長屋

鯉○さんの「松竹梅」。
この間聞いた時より上手になってた!いいぞう!

市楽さんの「唖の釣り」。
「鯉昇師匠のところはお弟子さんがとても多いんですね。だから何もわざわざ他の一門から呼ぶことはないだろうという話もありますが。あれですね。子だくさんの家だとお昼時に自分ち以外の子供が混ざって食べていても気づかれない、みたいなもんですね」。わははは。うまい!
元気のいい高座。いったいなんていう噺だろうと後から調べたら「唖の釣り」。ひょ〜。

鯉昇師匠の「味噌蔵」。
まくらも昨日とかぶりがちで、そうだよねぇ…さすがに二日続けてくる人なんてそんなにはいないだろうしねぇ…。
噺家には定年がないから健康でさえいれば何歳までだって仕事ができる。今最高齢なのが米丸師匠と笑三師匠88歳。二人とも元気で朝からステーキを食べている。これが元気の源なのかもしれない。自分もあやかりたいが、まずは朝からステーキが食べられるような経済力が必要になる…。
そんなまくらから「味噌蔵」。やったー。

けちべえさんのケチぶりは酷い。なにせおまんまを食うから嫁さんなんかほしくない。子どもなんか生まれた日にゃ金がかかって仕方ない。だから自分はそういう危険なものには近づかない主義だ、という。
妊娠したと言う女房にあからさまに迷惑顔。
それでも鯉昇師匠のけちべえさんは実家で女房が男の子を産んだと聞くと「なんだかうれしいような恥ずかしいような心持ですね」とにこにこする。そこに少しほっとする。

けちべえさんが女房の実家に泊まりに行って、大喜びの店の者。
鬼の居ぬ間にうまいもんを食べようということになる。この時の番頭さんが本当に好きだ。
「勘定はどがちゃがして」と下の者たちに言われて一瞬「なんてことを言うんですか!」と言いながら「私も最初からそうするつもりでした」と。
上の者から順に食べたいものを言っておくれと言うのだが、一番上の店子は店に入ってから長いので食べたいものが思い浮かばない。
「おかずなんていうものは、8年に一度出てくるものだと思ってました。オリンピックと万博が過ぎないとお目にかかることはできない」
「そもそも料理ってなんでしたっけ…?」

「かば焼き!」
「なんのかば焼き?」
「ええと…う、うさぎ?」
「おしい!」

こんにゃく畑!」
「こ、こんにゃく畑?あのね、そういうものはね、日ごろから栄養が十分足りてる者が食べるもので、我々のように長年の方向で骨と皮だけになった者が食べたがるようなものじゃありません」

何年も飲んでなかった酒を飲んでべろべろになる様子がまたおかしい。
酔っぱらってほがほが言ってて何を言ってるからわからない男に向かって「柳昇か!」。
弾けっぷりが楽しい「味噌蔵」だった。

鯉昇師匠の「粗忽長屋」。
仲入り後に出てきた鯉昇師匠。「あの…昨日いらした方…昨日の最後と同じ噺をします」。
きゃ〜。や、やっぱり気づかれていた〜?!二日連続で来てしまってすびばせん。
昨日と同じ「粗忽長屋」だったけど、昨日よりたっぷり。ぼやぼや聞いている私でも、「あ、ここが違う」とわかって、それはまたそれで楽しかった。