りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

転落少女と36の必読書(上)(下)

転落少女と36の必読書(上)

転落少女と36の必読書(上)

転落少女と36の必読書(下)

転落少女と36の必読書(下)

★★★★

ブルー・ヴァン=ミアは、大学教授の父の影響で古今の文学や映画に精通している女子高生。幼くして母を亡くし、父の転勤にともないアメリカ中を転々として成長したブルーは、高校の最終学年で、ある私立のエリート校に転入する。人づきあいも恋も苦手な彼女だが、女性講師ハンナを囲む大人びた生徒たちのグループに取り込まれ、彼らとともに謎めいたハンナのプライバシーを探ることになる。衝撃の知的青春ミステリー。

主人公のブルーは16歳の高校生。ものすごく頭が良くて読書好きで、大学教授をしているパパと2人暮らし。
ブルー以上に強烈なのがこのパパで、不慮の事故で亡くなった妻のことが忘れられずその面影から逃げるようにあちこちの町を転々としながらその魅力を振りまいて若い女性と恋に落ちては逃げ出すという非人間ぶりを発揮している。

ブルーはハンナという女性の遺体を見て以来、不眠症に悩まされている。
過去を振り返って物語として語ることで、このトラウマから解放されよう、というのがこの物語である。

ミステリーでもあり、青春モノでもあり、読書ガイドでもあり…。なかなか凝った魅力的な作りではあるのだが、風呂敷を広げすぎた感じがしないでもない。
ちょっとお腹いっぱいで消化不良…。

特にハンナの謎についての明確な答えがなかったのが、私にはちょっと…。
ちゃんと読み込めばわかるでしょ?と怒られそうだけど、物語はあくまでも女子高生ハンナの視点で語られていて、どこまでが彼女の妄想でどこまでが真実なのかが、最後まで読んでももやもや…。
広げた風呂敷はちゃんとたたんでほしい!私は。

あとこのオヤジがとにかく腹立つわー…。