りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

猫鳴り

猫鳴り (双葉文庫)

猫鳴り (双葉文庫)

★★★

ようやく授かった子供を流産し、哀しみとともに暮らす中年夫婦のもとに一匹の仔猫が現れた。モンと名付けられた猫は、飼い主の夫婦や心に闇を抱えた少年に対して、不思議な存在感で寄り添う。まるで、すべてを見透かしているかのように。そして20年の歳月が過ぎ、モンは最期の日々を迎えていた…。「死」を厳かに受けいれ、命の限り生きる姿に熱いものがこみあげる。

これでまほかるちゃん4冊目。
そんなに大好きってわけじゃないんだけど、読みやすいからつい読んじゃうんだな。

読み始めて、「ああやはりこんなかんじね。」とおもったのだが、三部が少し意外だった。
これからもっとこういう路線で書いたらいいのに、なんて余計なお世話か。

死に行く猫の見事な生の終わらせ方と、それを見送る視線に胸がつまる。
一部は寒々とした印象だったけれど、猫と長い年月共に暮らしてお互い支えあっていたことがよくわかる、いいラストだった。