りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

虚言少年

虚言少年

虚言少年

★★★★

僕は、まあやる気のない、モテない、冴えない子供だ。かといって憤懣やるかたないわけでもなく鬱々と陰に篭っているわけでもなく、人気者でもなければイジメっ子でもなく嫌われ者でもなければイジメられっ子でもない。毎日がそこそこ楽しくて、そこそこ幸福であり、なのにそれを自覚していないことが多いので不平不満を垂れたりして、面白ければ笑うし悲しければ泣くし好きなことはやりたいし嫌いなことはやりたくなくて、学校も好きでも嫌いでもないという、まあべたっとしたどうでもいい子供なのである。ただ、まあ特徴を一つ挙げるなら。僕は―嘘吐きなのだ。

とにかくばかばかしいことと笑えることのみを追求する小学生男子。
主人公の少年のこの割り切りと達観は、「お前明らかオヤジやろ?小学生じゃないやろ?」とも思えるし、あーでもこういう男子たしかにいたいた!とも思う。
自分にもいまだにこういうところ、あるしなー。

はじめて読んだ京極作品がこれって、なにか間違ってる?
でもとっても面白かったので、来年はいろいろ読んでみようと思う。