りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

下町ロケット

下町ロケット

下町ロケット

取引先大企業「来月末までで取引終了にしてくれ」メインバンク「そもそも会社の存続が無理」ライバル大手企業「特許侵害で訴えたら、…どれだけ耐えられる?」帝国重工「子会社にしてしまえば技術も特許も自由に使える」―佃製作所、まさに崖っプチ。

これは誰の感想を読んでも悪く書いている人がいなくて、というよりむしろ「感動した」「読めてよかった」「明日から頑張ろうと思った」という熱い感想が多くて、そんな中ほんとに書きづらいのだが、でも結局書いちゃうんだが、私には全く何も響いてこなかった。それはもう小気味いいほどに…。

リアルな小説の中であまりにも善悪がはっきりしていると、どうも読む気が失せる…。
この小説の場合は、「大企業=悪」の描き方がとてもはっきりしていて、そこでもうなんだか嫌になってしまったんだなぁ。
いやおそらくほんとにこういうものなんだろうと思う。「それが会社というものなのだ」と胸を張って堂々と汚いことをする会社ってたくさんあって、志をもって頑張っている中小企業はそれこそ吹けば飛ぶような存在なのだ。
で、そんな弱小会社が職人の心意気を貫き通して戦って勝つ、そこにみんなが共感したり感動したり勇気をもらったりするのだろう。

でも私はちょっとだめでした…。
とにかく最初の大企業の汚いやり口で読む気が一気に失せて、でもせっかく予約して長いこと待ってようやく届いたのだから、と後は惰性でストーリーを追うだけの読み方をしてしまったので、「ふーん」「で?」「だから?」という感想しか持てなかった。
やっぱり本っていうのは、流し読みをしてもなーんにも伝わってくるものなんかないのだな…。

どうも会社嫌いな私はこういう企業小説っていうのが生理的にダメみたい。
すみませんでした!

そして実はひそかにこの2冊も挫折…。

昼の家、夜の家 (エクス・リブリス)

昼の家、夜の家 (エクス・リブリス)

冬物語

冬物語

どうやら何を読んでもOKOKブラボブラボーな季節は終わりを迎えたらしい…。
なんとなくもやっとした小説は受け付けない感じ?
こういう時の本選びって案外難しい。
んだけど、ぎらぎらしている時期にガンガンと図書館に予約を入れた本が次々に届いてくる予定なので、四の五の言っていられないのである。

とにかく私の場合、斜め読みでは決して何も得られないので、げっだめだこりゃ!という作品以外は、できるだけ丁寧にゆっくりと読みたいものである。