りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

アーモンド入りチョコレートのワルツ

アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)

アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)

★★★★

十三・十四・十五歳。きらめく季節は静かに訪れ、ふいに終わる。シューマン、バッハ、サティ、三つのピアノ曲のやさしい調べにのせて、多感な少年と少女の二度と戻らない「あのころ」に語りかける珠玉の短編集。

子どもから大人に変わっていくその微妙な時を描かせたらこの人の右に出る者はいないのでは。
大人から見た「思春期」ではない、だけど当事者の視点だけでもない。
限りなく子どもに近い大人の優しい視線が、読んでいてとても心地いい。
ただちょっと物足りなさが残ったのは、短かったから…?