りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

光待つ場所へ

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★★★★★

悔しい、恥ずかしい、息苦しい――。
それでも日々は、続いていく。今もっとも注目の作家・辻村深月 心震わす傑作青春小説!

多分同世代だとリアルすぎて痛いぐらいなのかもしれないけれど、若さゆえの傲慢さとか傷つきやすさとかバランスの悪さが、今の私には眩しくて清清しく思える。
かといって、「あー、若い頃はこうだったわねぇ…」と余裕のよっちゃんでいられるほど、自分も「おとな」になりきれていないので、時々ぐさっときたり、「あああ…わかる…」とほろりときたり。

特に2話目が好きだったかな。
読み始めは好きになれそうもないと思っていた主人公が読み進めるうちにどんどん好きになってくる。
2話目に出てくる、オタクの図書館司書がいいなぁ…。これぐらいの程度の「オトナ」は、十分高校生にも傷つけられてしまうんだけど、それでもちょこっとだけ先を歩いていて、ちょっと背伸びして見守ったり手を差し伸べたりして。
ちゃんとしたオトナにはなれないけど、こんなふうな大人になりたい、と思った。