りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

[ジェレミー・ドロンフィールド]飛蝗の農場

飛蝗の農場 (創元推理文庫)

飛蝗の農場 (創元推理文庫)

★★★

読み出すと怒涛のイキオイで読み続けるけれど、読まなくなると平気で2、3年読まない。そんな私の読書スタイル。(どんなスタイルや…)
でも読まないときでも「このミス」は買う。ここ何年かはミステリー離れしてきた私なんだけど、「このミス」のような「これ面白いから読んで!」っていうスタンスは好きなのだ。
で、これは2002年度「このミス」の海外編1位だったので、いつか読もうと思って買っておいた積読本だ。

ヨークシャーの荒れ野で農場をいとなむキャロルの前に謎めいた男が現れた。一夜の宿を請われ断るの段を経て、不幸な経緯から、ショットガンで男に傷を負わせたキャロル。看護の心得のある彼女は応急処置をほどこしたが、意識を取り戻した男は、以前のことを何も覚えていないと言う。幻惑的な冒頭から忘れがたい結末まで、悪夢と戦慄が読者を震撼させる。驚嘆のデビュー長編。

読み終わっての感想は「なんじゃこりゃ!」。なんかつい最近も読み終わって「なんじゃこりゃ?」とつぶやいた本があったような…。あ、「魔術師」か。
こちらは「魔術師」ほどの激しい「なんじゃこりゃ」じゃないんだけど、でも物語の進み方とか最後のドタバタとかこの作品がこのミスNO1に輝いたこととかいろんなことを含めての「なんじゃこりゃ」。(だからなに?と言わないで〜)

こんな風に謎の男を匿って徐々にお互いに惹かれていきながら、でも彼の背後に恐ろしい過去と秘密が潜んでいるようで…という小説は前にも読んだことがあるような気がする。ある意味目新しくもないのかもしれない。でもちょっとオカルトチックなところは新しかったかな。

ミステリーとしてはちょっと破綻しているような気がしなくもないけれど、夢中になってページをめくらずにいられない筆力と魅力はたっぷり。だから★3つ、かな。

このミス1位だったら私はやっぱり「茨の城」が面白かったなぁ。あとミネットウォルターズ。それに比べると衝撃度は少なめ。