りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

炎の眠り

炎の眠り (創元推理文庫 (547‐3))

炎の眠り (創元推理文庫 (547‐3))

★★★★★

ああ、これで全部読んでしまったのか。寂しいなぁ‥。
そういえば、翻訳されている浅羽さんのブログによれば、キャロルの新作が出たんだよな。それは絶対絶対買わなくちゃ。

この間読んだ「空に浮かぶ子ども」の主人公だったウェーバー、フィリップ・ストレイホーンが登場したりして、なんかこんな風に物語が連続していて描く側面が違う、っていうしかけがまたたまらないなぁ。
ってもうとにかく好きなんだな、ジョナサン・キャロルが。

どの小説にも共通するのは、死、恐怖、夢、魔法、そして愛。
連続してみる夢、通り過ぎた時に意味不明の言葉をかけてくる狂人、大切な人たちに降りかかる災難。かなりダークなのに不快感をまるで抱かないのはなぜだろう。解説には「ダークファンタジー」とあるけれど、うーん‥そうなのかなぁ。なんか一言で言うのは難しいんだよなぁ、キャロルの魅力は。

こういう結末でよかった‥とほっとする反面、後半やや失速したような感じがしないでもないが、これはこれでよかったよ。(←なんかえらそう)