ビタミンF
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/06
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 35回
- この商品を含むブログ (139件) を見る
理想どおりに育たなかった息子にいらだつ父、オヤジ狩りに怯えつつ、しかし根っこにある正義感と葛藤する父、娘がいじめられていることに気づいた父…家族の危機に直面した父親の悲しみと頑張りを描いた7つの短編。
やけに身につまされるなぁと思って読んでいたのだが、この本に登場するお父さんたちはみんな37歳。
そうか、今の私とおない年なのだ。
どれもちょっと痛くて(いや、泣きたくなるほど痛い話もある)、でもちょっと元気が出るような話だ。
「セッちゃん」「パンドラ」は二人の娘を持つ私にはあまりにもリアルでつらい話だった。ああ、こんなことが起きたらどうしよう。でもない話じゃないなぁ。
そうなったとき、私もこんなふうにジタバタするんだろうなぁ。「正しく」行動したいと思いながら決してそうはできないんだろうなぁ。
読んでいて胸が苦しくなって、どきどきして、つらかった…。
「はずれくじ」これが私は一番好きだったなぁ。
理想どおりに育たなかった息子。その人の良さ、気の弱さに苛立つ父親。ラストがよかったなぁ、これは。
他の作品ももっともっと読みたくなった。