りつこの読書と落語メモ

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絲的ココロエ―――「気の持ちよう」では治せない

 

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双極性障害Ⅰ型発症から20年。
長年この病とどうつきあってきたか、服薬ゼロになった現在からみた心得を綴る
貴重なエッセイ。
加齢、発達障害、依存、女性性、ハラスメントなどの話題も。 

絃山さんが双極性障害を発症して仕事を辞め、その後作家になったということを初めて知って驚いた。私も鬱病になりかけたことがあるので共感できたし、またとても勉強になった。

精神の病は目に見えないので、心構えだの甘えだの態度だのと言う人は必ず存在するのだが、そんなときには、反論せずに自分にこう言い聞かせることにしている。

「人間は自分の意思では虫歯ひとつ治せません」

周囲の人が心配のあまり一緒に悩んでしまうことは、好ましくない。普段どおりとまではいかなくても、病人と離れる時間、気分転換や遊びの時間はぜひ確保していただきたい。

(中略)

病人にとっては時間が他人と同じように流れていないことがつらいものÑだ。不公平だと思ったりする。

入院前に主治医に言われた言葉を私は今でもよく思い出す。
「医者にできるのは薬を使って援護射撃をすることです。矢面に立つのは患者さん自身です」
(中略)

医者との相性とは「言葉が通じるかどうか」だと思う。

完治は難しいとしても、自分の状態を常にきちんと把握して最悪の状態にならないようにすること。信頼できる医者に出会うこと。身近な人がそういう病気になったら原因や安易な安易な励ましの言葉などかけず、本を読んでまず勉強すること。心の病は気の持ちようではどうにもならないことを知ること。「人間は自分の意思では虫歯ひとつ治せない」の言葉を胸に刻みたい。