りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鐘は歌う

 

鐘は歌う

鐘は歌う

 

 ★★★

ロンドン塔からレイヴンが消え、橋という橋は落ち、ロンドンは瓦礫の街と化した。文字による記録は失われ、新たな支配者“オーダー”は鐘の音で人々を支配している。両親を亡くした少年サイモンは、母が遺したひとつの名前とひとつのメロディを胸に、住み慣れた農場を離れ、混沌のロンドンに向かった。そこで彼は、河の底から呼びかける不思議な銀色の音を聞き、奇妙な白い眼を持つ少年リューシャンに出会う…。世界幻想文学大賞受賞、ブッカー賞候補にも挙がった幻想文学の名作登場! 

記憶をとどめておけない世界で孤児の少年が白い眼を持つ少年と出会い自分の隠された能力に気づき、二人はある使命を抱いて旅に出る。
これはもしやアイアマンガー三部作のような冒険が繰り広げられるのでは?と期待したのだが、そういうエンタメ的なワクワクは皆無で、どちらかというとディストピア感の方が勝る。

夢から覚めた人たちが覚める前より幸せを感じられるかどうかもわからないというのも結構リアルで苦い後味。