りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場3月上席夜の部

3/2(金)、鈴本演芸場3月上席夜の部に行ってきた。


・文蔵「道灌」
・小ゑん「ほっとけない娘」
~仲入り~
・正楽 紙切り
・菊之丞「替り目」
・小菊 粋曲
・百栄「落語家の夢」


文蔵師匠「道灌」
文蔵師匠がこの噺をとても大事にしているのがわかる。とても面白かった。
あきれながらもご隠居がはっつぁんのことを好きなのが伝わってくるし、はっつぁんもそれがわかってるから安心してバカ話ができる。
文蔵師匠の落語、私は少し苦手なんだけどこの「道灌」は好きだなぁ。よかった。


小ゑん師匠「ほっとけない娘」
客席に隙間がわりとあって(笑)マニアックな雰囲気だったので、この噺をされたのかな。
大仏くんが出てくる場面が最高におかしい。
そして二人の初デートのお寺巡りは、「黄金餅」もびっくりの難しい言い立てになっているっていうのが、無駄に(!)難易度が高くてたまらない!
化粧品が「ウテナ」っていうのにも笑った。


菊之丞師匠「替わり目」
おお、丞様が「替わり目」っていうのも珍しくないか?!
「早くお寝」と言うおかみさんに亭主が「お前が酒を勧めてくれば逆にもういいよってことになる」と言って、おかみさんが「わかったわよ」と言うと亭主が「じゃ飲もうかな」
「いんちき!」っておかみさんが言うと亭主が「いんちきです」って答えるの、すごくおかしかった。
安定の面白さだなぁ。楽しい~。


百栄師匠「落語家の夢」
ブームがあると必ずそのあとに反動が来る。自分が落語家になって23年ぐらい?の間にも何回か落語ブームがあったけど、それが終わるとぐっとお客さんが減ってしまう、それが怖い。できればずっとゆるーくお付き合いをしていただきたい。

そんなまくらから「落語家の夢」。
いやもうこれが…初めて聞いた噺だったんだけど、最初から最後までツボで笑い通し。
落語マニアにはたまらない設定で出てくる落語家がまた「そこか!」という絶妙さで、かなり毒もあるんだけど、それが百栄師匠にかかると全然嫌な感じにならなくて…。

今まで聞いた百栄師匠の新作の中で一番好きだったー。
今日ここに来てよかった!という気持ちでいっぱいになったし、落語を聞きすぎて寄席にも行きすぎてなんかそれゆえつまらない気持ちになることもたまにあったりするんだけど、これはもう「マニアになってよかった」と思えるような噺で、ほんとに最高だった。

細かく書きたいけど、何も知らずに聞く楽しさを奪っちゃいけないから、内容には触れないことに。
タイトルは「落語家の夢」だけど「落語マニアの夢」でもあるなぁ。楽しかったー。