りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭6月下席昼の部・夜の部

6/29(木)、末廣亭6月下席に行ってきた。
この日は有休をとって昼から夜まで居続けのつもりで気合を入れて出かけて行ったのだが、朝9時45分ごろに着くとすでに15人ほど並んでいてびっくり!
平日だというのにこの行列はいったい…。
そして昼の部から夜の部へ居続ける人の多さ!普段なら私のようなよっぽどの人しか残らないのに、この日はほとんどの人が残っていた…!
これが落語ブーム、寄席ブームってことなんだろうか。
人が少ないのは困るけど、こんなにもしのぎを削る感じはいやだなぁ。しくしく…。


昼の部
・やまびこ「寿限無
・小んぶ「幇間腹
・あんこ「つる」&ゴジラかっぽれ
・一之輔「 鮑のし」
・志ん輔「稽古屋」
・圓丈「金さん銀さん」
・伯楽「 猫の皿」
・さん喬「短命 」
~仲入り~
・さん助「浮世床(洒落将棋)」
正蔵「新聞記事」
・小ゑん「銀河の恋の物語」
喬太郎「夢の酒」

小んぶさん「幇間腹
「カルテ取り」「スラッシュスラッシュドット汗」には毎回笑ってしまう。
針が折れたことを「お腹の中に針が宿りました」と手を合わせるのが最高にばかばかしい。


一之輔師匠「 鮑のし」
この日のお客さんが二階席まで満員で立ち見も出るほどですごい熱気のわりにほんとに笑わない。小三治師匠じゃなきゃ笑わないぜ!と粋がっているって感じじゃないんだけど、なんか思っていたのと違った?もっと面白くて笑わせてくれると思ってたのに…って感じ?
そんな中、一人悲鳴のような笑い声をあげる女性がいて、まわりがしーんとしているだけでそれはそれでまた変な目立ち方。それも笑う時に「〇〇って!」と復唱するので余計に…。
その女性を早速いじる一之輔師匠。「大丈夫ですか?」「そんなにおかしいっすか?」。
陰気なお客さんに合せたのか一之輔師匠もトーン低め。それでもかなり客席を温めていたのはさすが。


圓丈師匠「金さん銀さん」
この独特の雰囲気に圓丈師匠が不思議と合っていて、結構笑いをとっていた。圓丈師匠がおばあさんにしか見えなくなるこの噺。笑った。


さん喬師匠「短命 」
いいなぁ、さん喬師匠の「短命」。ご隠居に品があって。楽しい。


さん助師匠「浮世床(洒落将棋)」
おおお、ドッポで聞いて以来聞いてなかった「浮世床(洒落将棋)」。この重たいお客さんにこういう噺をぶつけてくるとは、さん助師匠はほんとにひねくれてるなぁ(←ほめてます?)。
なんかでも煙管の吸い口は吸い口、がん首はがん首でくっつけたわりに、二人の吸っている様子がまったくおなじだったような?やはりテンパっていたのか?(笑)
それも含めておかしくておかしくて。笑ったわー。


小ゑん師匠「銀河の恋の物語」
織り姫と彦星が年に一度しか会えないのはかわいそうと言うけれど、星の一生は人間とは比べ物にならないほど長い。星の寿命を人間の寿命に換算してみると、この二人は3秒に一回会ってる計算になるから、むしろ会いすぎ!というまくらには笑った笑った。
「銀河の恋の物語」前から生で見たいと思っていたのでうれしくてうれしくて。織り姫が気が強くて蓮っ葉なのが最高におかしかった。


喬太郎師匠「夢の酒」
声もかなり出にくそうでかなりお疲れのご様子。この芝居が終わって少しは休めるといいなぁ…。
最近南なん師匠がよく「夢の酒」をやられているけど、同じ噺でもこうも印象が違うものなのか。喬太郎師匠の「夢の酒」はお花さんの悋気がかなり激しく、また大旦那も二人の喧嘩の原因が「夢」と知った瞬間「死ねーーー」っと叫ぶ。
どちらが好きかは、好みの問題なんだろうな。


夜の部
・一猿「弥次郎」
・小はぜ「道灌」
ひびきわたる 漫談
・辰乃助「たらちね」
・小八「夏泥」
・世津子 曲独楽
・萬窓「蔵前駕籠」
・歌之介「勘定板」
・正楽 紙切り
・小燕枝「宗論」
・権太楼「代書屋」
~仲入り~
・三之助「転失気」
・扇遊「権助芝居」
正雀「鴻池の犬」
仙三郎社中 太神楽
小三治「野ざらし


小はぜさん「道灌」
重たいお客さんに、前座時代にやり倒していた「道灌」を淡々と。素敵。


萬窓師匠「蔵前駕籠」
タクシーに乗ったら運転手さんがラジオで落語を聞いていて「私、落語好きなんです」。
ちょっとからかってやろうと思い、落語家であることを隠して「落語ってどういうものですか」「どこが楽しいんですか」と聞くとあれこれと教えてくれる。落語も一席話してくれと言うと、これが実にうまくて…。

まくらから噺への流れ、そして噺に入ってからも最初から最後までなんかもうすごく良くて、きゃーー!ってなった。
明るくて軽くてでもどっしりしていてリズムが良くて間がよくて…好き好き、この師匠。
自分のブログを検索したら、前に黒門亭で一度見ていて、その時も「好きだ!」と書いていた。
もっと見てみたい。また好きな噺家さんが増えてしまった。

 
 歌之介師匠「勘定板」
この日一番うけてたかもしれない。なんだこういうのが好きなのか、今日のお客さんは。ちっ。(←感じ悪いねわたし。すびばせん。)
 
 小燕枝師匠「宗論」
最高におかしかった。小燕枝師匠がこんなバカバカしく「宗論」をやられるとは。でも息子が他の人がやるような変な「〇〇なのでありまーす」という激しく誇張した話し方じゃなく、いやらしさがない。
楽しかった!

小三治師匠「野ざらし
仲入りから入ってきたお客さん(立ち見)はわりと陽気で徐々に盛り上がる中、待ってましたの小三治師匠。
選挙の期日前投票に行ったというまくらからの「野ざらし」。
落語ブーム寄席ブームの台風の目のような満員の末廣亭で、ちょっとノリノリででもいつもの「野ざらし」。くーー、かっこいいっ!
 
小三治師匠が終わって末廣亭を出ると写真を撮ってる人が大勢。twitterにもたくさん投稿されていて「昼と夜たっぷり見られて幸せ」「至福の時間」とかつぶやいている人もいたけど、ほんとに~?ほんとにそう思った?そのわりに笑ってなかったじゃーん、そうつぶやきたかっただけじゃないの~?と思ってしまった私だった。
居続けってよっぽど好きじゃないとしんどいと思うんだよなぁ。特に「え、えええ?」っていう芸人さんもいるからさ。
私の隣の席に座った老夫婦も、朝から晩まで頑張ってたけど、夜の部ではおばあさんの方がもうあくびしっぱなしだった。そりゃしんどかろう。あんなせせこましいところに12時間もいたら。
反対側に座った女性も途中、いびきかいて寝てたからなー。
ま、ほどほどがよいのではないかと。(お前が言うな!という噂も)