りつこの読書と落語メモ

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末廣亭1月下席夜の部

1/26(木)、末廣亭1月下席夜の部に行ってきた。
 
・松鯉「屏風の蘇生」
~仲入り~
・昇乃進「幽霊タクシー」
・Wモアモア 漫才
・南なん「不動坊」
・伸治「あくび指南」
・喜楽・喜乃 太神楽
・茶楽「富久」
 
松鯉先生「屏風の蘇生」
松鯉先生の「〇〇なんですな」という口調が大好き。
温かみのあるまくらでリラックスさせてくれて、話に入るとピンっと空気が変わって、講談の世界に引き込んでくれる。
「屏風の蘇生」は初めて聴く話だったけど、夢中になって聞いていると「ここからが面白くなるのですが」。思わず「ええええ?!」というと「…と昔の講釈師は切りましたけど私はそんな卑怯なことはいたしません」と最後まで。
楽しかった。
 
昇乃進師匠「幽霊タクシー」
初めて聴く新作だったので、噺がどういう方向へ転がっていくのかわからずちょっとドキドキしながら聞いていたけど、最後まで聞いてみればばかばかしい噺だった。面白かった。
 
南なん師匠「不動坊」
おお、三回続けて「不動坊」。
続けて聞いていると、あ、今日はここをちょっとわかりやすくやったな、とか、今日のお客さんに合わせてここはテンポをあげたな、とか細かいところがわかってくる。
こうやって噺を育てていくんだろうなと思いつつ、同じ噺が続くとやっぱり少しさみしい。
 
伸治師匠「あくび指南」
この代演はうれしい。
「いろいろ不思議な商売っていうのがありますけど、噺家っていうのもそうですね。私なんか今日6時半に家を出てきたんですよ。朝の、じゃないですよ。夜のですよ。お勤めの方は帰る時間ですよ。それが私の出勤時間でここで15分おしゃべりして今日の業務は終了なんですから。今東京に噺家が500名ぐらいですか、おりますけど、餓死したって話は聞きませんから。不思議ですねぇ。楽屋で仲間に会っても”仕事ある?””ないねぇ”なんて話をしてるんですよ。お互いに何で食ってるのかわからないんですから。そこはあえて触れないんですね、お互いに。なのに食えてる。不思議な商売です」
 
にこにこしてほんとに楽しそうで粋で風流で伸治師匠がリアルあくびの師匠に見えてくる。
こんな師匠にだったらあくびを稽古してもらいたくなるなぁ。
ふわふわっと身体が浮くのがまた楽しい。
 
茶楽師匠「富久」
冨くじと聞いて目の色が変わるところに久蔵の山っ気のようなものがにじみ出ている。
火事になったのが久蔵がしくじったお店の方じゃないかと気づいて久蔵を起こしてやる長屋の人たちのやさしさ…。後半部分もそうだけど、こうやってお互い気に掛け合って助け合うところがいいなぁ、落語の世界って。
お店に駆け付けるとものすごく喜んでくれる主人。さっそく手伝い始めた久蔵の姿に、幇間としてなかなか優秀なんだろうなというのがうかがい知れる。
そして酒を見るとすぐに飲みたがり、飲み始めるとどんどん飲んでしまうところに、飲み始めるとタガがはずれるんだろうなぁというのも伝わってくる
 
今度は自分の家が火事になったと分かってからの展開はまさに人生いろいろ。捨てる神あれば拾う神あり。
落語らしいこの噺、とても好きだ。
そして茶楽師匠、渋くてかっこよかった。好き。