りつこの読書と落語メモ

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12人の蒐集家/ティーショップ

★★★★

「当店には各種、極上のケーキがそろっております」紫一色に染められたケーキショップの、八ページにわたるメニューに並ぶのは“よろけヴァイオリン”“惚れ睡蓮”そして“陽気な骸”…。パティシエがコレクションする“あるもの”と引き換えに、メニューにはない特製ケーキを頼んだ男の運命は?連作「12人の蒐集家」と中編「ティーショップ」を収めた東欧の鬼才ジヴコヴィッチによる、愛らしくも不気味な世界。摩訶不思議なファンタスチカの世界へ、ようこそ。

異様なものを集めることにとりつかれた12人のコレクターが登場する連作短編。
集めることって中毒性があって、あまりにものめり込むとどんどん深くて暗い穴に落ちていくように、周りが見えなくなって自分自身も覚束なくなっていく。集める人も集められてしまう人も時が経てば朽ちてしまい、残るのは集められたモノたち。それらのモノがどうなるかというと…。
シュールな話が多いけれど軽いタッチなのでクスッと笑える。
奇想ともブラックとも一味違う独自な味わい。

装丁も素敵だし、一緒に収められた「ティーショップ」がまた物語の入れ子のようになっていてとても楽しかった。