りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

古今亭志ん丸・古今亭菊太楼・金原亭竜馬『三人寄れば文殊の知恵熱』第4回

9/2(金)、道楽亭で行われた「古今亭志ん丸・古今亭菊太楼・金原亭竜馬『三人寄れば文殊の知恵熱』第4回」に行ってきた。
もともとこの日は会社の引っ越しの荷造りをしないといけなかったので落語に行くつもりはなかったのだが、思いのほか早く終わりそうだったのと、twitterで菊太楼師匠がとても控えめに「来てください~」とつぶやかれていたので、行ってみようかなと思い急きょ行くことに。
もともとは打ち上げにでるつもりはなかったのに、いざ店に行って店長から「打ち上げどうですか?」と聞かれ「じ、じゃ打ち上げも出ます」と。うほほほ。

・龍馬「青菜」
・志ん丸「お茶汲み」
~仲入り~
・菊太楼・龍馬・志ん丸「三題噺/扇子・サークルKサンクス築地市場移転」
・菊太楼「位牌屋」


龍馬師匠「青菜」
この日龍馬師匠が着ていたのが渋い色ながらよく見てみると赤とんぼの柄が入っていて素敵な着物。
実はこれは馬石師匠にいただいたんです、と龍馬師匠。
この季節は着るものもそうですけど噺も難しい。ちょっと先取りして秋の噺もいいけれど、こうも暑いとやはりまだ「夏」ですねぇ、といいながら「青菜」。

この夏はとにかくよく「青菜」を聞いたなぁ。一番よく聴いたのが「小三治師匠」っていうのもかなり贅沢。これだけ小三治師匠を聞いてしまうとどうしても比べてしまいがちなのだが、若い噺家さんの「青菜」はまた小三治師匠とは違った趣があってたのしい。
龍馬師匠の「青菜」はテンポよく若々しくて楽しかった。

志ん丸師匠「お茶汲み」
大好きな噺だけどなかなかやられる方がいないので嬉しい!
もてない男たちがもてない自慢をしているところにやってきた源ちゃん。いつもは同じようにもてない源ちゃんが夕べはひどくもてた、と自慢話。
それを聞いた男が自分もやってみようと同じ花魁を指名する。

青紫花魁がひどい器量っていうの、初めて聞いたかも。
真似をしようと行った男が最初に出てきたお茶を「まずい」と言いながらゴクゴク飲むんだけど、それがおしまいのシーンにつながってくるのが面白い。
こういうバカバカしい噺、好きだなぁ。


菊太楼師匠・龍馬師匠・志ん丸師匠「三題噺/扇子・サークルKサンクス築地市場移転」
お客さんから題をもらって3人がその場で作ってやるという趣向。
「このことはみなさん帰る時には忘れて下さい」とどなたかがおっしゃっていたのでアレなんだが…そして1週間以上たってしまって私の記憶も途絶えがちなんだけど、菊太楼師匠のやられたのが一番面白かった!というのだけは覚えている。


菊太楼師匠「位牌屋」
ケチのまくらからの「位牌屋」だったんだけど、そのまくらで「自分が小学生の頃に目の当たりにしたことがある」と言って、消しゴム忘れたから貸してと隣の子にいったら「消しゴムが減るからだめ」と言われた、というのがおかしかった。いたいたそういう子!そう言われると子どもながらになんともいえず「いやだなぁ」という気持ちになったことを思い出した。ああいう子はどういう大人になったんだろうなぁ…。

「位牌屋」は初めて聞いた噺。
こういう知らない噺をしてくれたっていうだけで、その噺家さんの株がぐっと上がっちゃうんだけど、軽くてばかばかしくて楽しくて好きだったー。いいなぁ、菊太楼師匠。

あと三題噺の時だったか菊太楼師匠が「噺家」という職業について語っていた時に「頑張れば噺家でいられる」といったあとに「その頑張るっていうのは稽古を頑張るっていうことではなく、噺家でいることを頑張る、その場所にいることを頑張る」とおっしゃっていたんだけど、それってすごくよくわかるなぁ。噺家だけじゃなくどの仕事にも通じることだと思う。
とにかくその場にいること。居続けること。それが一つの仕事を長く続ける唯一の術っていう気がする。

打ち上げもほとんどが知らない方ばかりだったのだけれど、師匠方がいろんな話をしてくれて、とても楽しかった!感謝。