りつこの読書と落語メモ

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図書室の魔法

図書室の魔法 上 (創元SF文庫)

図書室の魔法 上 (創元SF文庫)

図書室の魔法 下 (創元SF文庫)

図書室の魔法 下 (創元SF文庫)

★★★★★

15歳の少女モリは精神を病んだ母親から逃れ、一度も会ったことのない実父に引き取られたが、親族の意向で女子寄宿学校に入れられてしまう。周囲になじめないモリは大好きなSFと、自分だけが知る魔法やフェアリーの秘密を支えに生きてゆこうとする。1979‐80年の英国を舞台に、読書好きの繊細な少女が日記に綴る青春の日々。ヒューゴー賞ネビュラ賞・英国幻想文学大賞受賞作。

とても良かった。
双子の妹が亡くなり精神を病んだ母から逃れ一度も会ったことがない父親に引き取られた少女モリ。
父親とは本好きという一点で分かり合えたのだが、3人の叔母にすぐに寄宿舎に入れられてしまう。
学校になじめないモリの楽しみは本を読むこと。学校の図書室に入り浸っているだけでは飽き足らず町の図書館に通いさらにそこで行われている読書会に参加するようになる…。

とにかく本好きにはたまらない小説。
「本を心の底から愛したなら、本もあなたを愛してくれる。」ジーンとくる一文だ。
本を読む行為は孤独に見えるけど決してそんなことはなく、閉じていた目、心が開かれる行為なのだよなぁ。

これは、ファンタジーでもありSFのガイドでもあり一人の少女の成長の物語でもある。
一人ぼっちで全身をガチガチの鎧で覆っていた少女が一歩を踏み出し、現実と向き合う勇気を得る。最後の日記が素晴らしい。
それにしてもファージング三部作の作者とは!作風がまったく違うので驚いた。